閉所恐怖症の人にお勧めである。実は私も閉所恐怖症だから。
ドイツのUボートは、名前からしてカッコいい。
普通は「潜水艦」なのだが、ドイツの場合、潜水艦の総称を、unter see boot(水の下の船)でUボートと呼称した。
こだわりがある。
この映画1981年昭和56年の映画。ちょっと(かなり)古いが色あせていない。
一応、最終的にはバッドエンドなのだが、あれはそのまま生き延びて、敗戦を迎え、捕虜となったとしてもバッドエンドはおなじことである。
ソビエト軍の捕虜はもちろん、連合軍の捕虜になったとしても、酷い虐待を受けただろう。とりわけ、Uボートは民間人を含めた同胞を大勢殺傷しているので、乗組員は憎悪の的だった。
ラストの空襲で、我が家の如きUボートと運命を共にした、艦長や乗組員達の方が幸せだったかもしれない。
潜水艦攻撃が日本海軍ではあまり主流にならなかった理由が分かる。
まず映画を観るだけで、艦内の臭さが伝わってくる。
乗船前に売春宿で毛ジラミをうつされ、しばらくしてから、乗組員達がお尻をむき出しにして看護兵から治療を受けるシーンは笑えるが、綺麗好きな日本人にはあの状況に耐えられまい。
何ヶ月間も風呂にはいることもなく、あの狭い空間にむさい男達(自身もそうだが)といなければならないことを考えただけでホラーである。
ドイツ人は日本人ほど清潔でないから我慢できなのだろう。
いや日本人が清潔好き過ぎるのかも。
個人的には、乗組員全員が女性であるバージョンも観てみたい。実写でやるとあまりにリアルなので、アニメの『ガールズ&パンツアー』のスタッフあたりが作ってくれないだろうか。
もし、時間が許せるのなら自分で描いてみたいとも考える(小説で)。
実写なら
艦長→シャーリーズ・セロン(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で左腕が義手の女)
ハンス→ルーニー・マーラ(『ドラゴン・タトゥーの女』の主人公のリスベット)
あたりの配役が面白いと思うのだが。
ただし、現場が女ばかりで喧嘩が絶えないだろう思われる。監督が心労で倒れたりして。
何かそんな映画が過去にあったように頭の隅に記憶が検索された。確かペンキが足りなくて白と赤を混ぜて塗り、ピンク色の潜水艦になった筈だ。乗組員は全員女で、艦長だけが男だったように覚えている。
何だったかな。AIと違って人間は不確かだ。