今観たほうがいいと言うと、非難されそうな映画。 『悪の教典』、『ライ・トゥ・ミー』第11話「悪魔の微笑」シーズン2・DISC6

植松聖の相模原事件について。

7月26日の『フルメタル・ジャケット』。ほとんど、ハートマン軍曹と『Paint It Black(黒く塗れ)』が主人公。にも書いたのだが、植松聖容疑者は凶悪犯罪者型サイコパスである。
どうもそのことが、マスコミには分かっていないらしい。それとも、分からないふりをしているのか。
この手のサイコパスはどんな社会にも必ず一定数存在する。現代だけではない。歴史上にも大勢いる。

Wikipedia「精神病質」(サイコパス)より
その大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者である。北米には少なくとも200万人、ニューヨークだけでも10万人のサイコパスがいると、ヘアは統計的に見積っている。
先天的な原因があるとされ、ほとんどが男性である。脳の働きを計測すると、共感性を司る部分の働きが弱い場合が多いという。
ケヴィン・ダットンの調査による、サイコパスの多い職業の上位10位は次のとおり。

1 CEO
2 弁護士
3 テレビやラジオのジャーナリスト
4 小売業者
5 外科医
6 新聞記者
7 警察官
8 聖職者
9 コック
10 軍人

マーサ・スタウトによれば、アメリカでは25人に1人(約4%)とされる。ただし、東アジアの国々では反社会性人格障害者の割合は極めて低くおよそ0.1%前後としている。

アメリカでは25人に1人(約4%)!これはクラスや職場に必ず一人はいるということだ。

アジアでも0.1%。都会では、道を歩けばサイコパスに当たるだろう。

ただし、サイコパスであるからといって全てが犯罪者になるわけではない。

Wikipediaにあるように、世間では有能で賢い人と呼ばれている人が大部分なのだ。

彼は、殺人を楽しんでいる残虐非道な人間では無いのだ。それは、サイコパスでない普通の社会基準を当てはめるからである。

警察車両内の彼の笑顔は、何事か仕事をやり遂げた喜びを現している。例えるなら三島由紀夫の『金閣寺』に出てくる、金閣寺の美を表現するために放火した若僧のようだ。
有り体に言えば、三島由紀夫自身もその最期は、犯罪者型サイコパスの如き死に様だった。右翼のように振舞っているだけで右翼ではない。自己の最高と思える美的な生き方を、割腹することで表現したのだ。

彼にとって今回の事件は、重度障碍者を殺害した残虐非道な出来事ではない。己の信念を貫き、ひと仕事終えただけなのだ。

一般の論調によくある間違いは、社会が障碍者や高齢者を排除しようとしているから今回のような犯罪が起こったのだ、というものだ。

社会が原因ではない。何度も言うようだが、人間の集団にサイコパスは必ず存在し、その内の1人が凶悪犯罪者になっただけのことだ。

そして、たちが悪いのは、社会が原因だという人に限って、福祉現場に警察や医療が影響をおよぼすことを嫌うことが多い。
警察や医療が介入しなければ、障碍者や高齢者に対する事件は防ぐことが難しいのが分かっているのにもかかわらずだ。

TVや専門家は、現実をうけとめたがらないので、あまり参考にならない。
サイコパスを描いた映画やドラマを観たほうがはるかに勉強になる。

・映画『悪の教典』

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悪の教典-評判の予告編

ついでに『悪の教典 序章』も。


恋愛映画 悪の教典 序章

 

・『ライ・トゥ・ミー』(原題 "Lie to Me")第11話 悪魔の微笑 シーズン2・DISC6

このドラマも良く出来ている。ストーリーもスリリングで内容も深い。さすがに25人に1人(約4%)もサイコパスがいる国は、元ネタに事欠かないのだろう。