映画『トラ・トラ・トラ!』真珠湾攻撃は成功だったのか?

映画『トラ・トラ・トラ!』1970年日米合同制作


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 古い映画である。観たこともない人も多いだろう。

1941年(昭和16年)12月8日の真珠湾攻撃の前後を描く。

ハリウッド映画に登場する日本人は、日本人らしくないキャストが多い。カタコトの日本語におかしな服装。

昔も今も日本人に対するイメージが貧困なのだ。

けれども、『トラ・トラ・トラ!』に描かれた日本人は、当時の空気をまとった生き生きとした武人である。日本の動向部分を日本人スタッフで制作したことが要因だ。

ちなみに「トラ・トラ・トラ」は日本海軍の暗号で、「我奇襲に成功せり」を意味する。

真珠湾を攻撃するシーンは、今観ても爽快である。

ただ、冷静に歴史を振り返ってみると、真珠湾攻撃は成功だったのかは疑問である。

日露戦争の日本海海戦、勝利の要因

日本海海戦で勝利したのは、バルチック艦隊を日本近海で待ったからである。

敵が疲弊するのを待ったのだ。

資源のない国にはそれ以外方法がないのでは。

現実にも「漸減邀撃作戦(ぜんげんようげきさくせん)」として、アメリカ艦隊が日本近海に来るのを待ち、敵の戦力を減少させながら戦う計画があった。

山本五十六が反対し立ち消えになったらしい。

色々と思惑があったようだ。

それにしても、真珠湾を攻撃するつもりならば、何故に陸軍を連れて行かなかったのか。

戦に勝つためには、敵の拠点を陸軍が制圧しなければ意味がない。

それは、21世紀になった今のハイテク戦争でも同じことだ。中東の戦争を見れば分かるだろう。空爆後、必ず地上軍が制圧している。

ハワイ諸島を陸軍の上陸で占拠するべきだった。

あの時の最強陸軍であれば、可能だったはず。