北島マヤは愛人では駄目なのか
嫁さん所蔵の『ガラスの仮面』を久しぶりに読み返す。
少年の頃に読んだ物語がまだ続いているとは。
少女のままの北島マヤ。
いつまでも読んでしまう感覚。期待を裏切らない展開。
いつまでも昭和のままの世界観。
どこかで体験したと思ったら『はじめの一歩』の読後感に似ている。
少年マンガ版『ガラスの仮面』。
ところで、恋を知らぬ少年の頃には分からなかったことだが、
北島マヤは“魔性の女”そのものではないか。
実際に付き合った(又は付き合っている)のは、
売れない俳優の桜小路くん、有名な俳優の里見さん、そして大都芸能社長の速水さんの3人だ。これ以外にも結構、男性から恋されている。
男をとっかえひっかえしながら、女優として成長しているのは間違いない。
少女マンガなので、大人の関係こそ描かれない。
しかし、ほとんどあるのと同じである。俳優として、遥かな高みを目指す北島マヤにとって、それ以外はどうでもいいことだから。
女優の二階堂ふみが、映画『私の男』の中で、流氷の海に飛び込むシーンがある。
制作後のインタビューで「本当に飛び込んでいるんですか」と訊かれた二階堂ふみは、「飛び込んでいます。死ぬことはないだろうと思ったから」といった内容の返答をしていた。
恐ろしい女優魂である。死ぬこと以外ならやるのだ。
北島マヤに話を戻す。
同じような女優魂をもった北島マヤに、大都芸能の社長夫人はふさわしくない。
「社長夫人」の役は出来ても、それを続けることは出来ないだろう。
愛人ではいかんのだろうか。