今日のプーチンさん17 米国はロシア大統領選をサイバー攻撃すべきか。やめとけ、負ける

f:id:ha-kurehanosatosi:20180217164840j:plain

ロシアは、米中間選挙にも干渉するのではないのかと予想されています。

米中間選挙は、アメリカ大統領選挙の中間の年に行われる上下両院、州知事選挙などの総称です。今年の11月6日に実施されます。

 

そんな中、アメリカから「中間選挙に干渉される前にロシア大統領選挙(3月18日)をサイバー攻撃するべき」との勇ましい意見がでているようです。

 

賛成できない意見です。

ロシア人の性質をよくわかっていない。

彼らは強いリーダーと強い国家が好きなのです。個人が少しぐらい搾取されても、国家として対外的に強いほうが満足しています。

あの絶対的な独裁国家ソビエト連邦を産んだのはロシアだったことを忘れているのです。

 

そんなロシアを攻撃すれば、それがサイバー攻撃だけだったとしてもさらにロシア人の団結を高めるでしょう。

そして、ロシアは勝っても負けても団結でき、プーチンさんの評判は上がる。

プーチンさんに変わる強力な独裁者が出現するまで、あの国は今のままです。

 

またロシアにサイバー攻撃をしかけて勝利できればいいのですが、反撃を受けて大敗する恐れも十分にあります。

何と言ってもロシアはサイバー戦の雄です。世界的に有名なセキュリティソフト、カスペルスキーはロシアの首都モスクワに本社を置いています。

 

結論として、やめておくべきです。サイバー空間まで負けて恥をかくのは最悪です。

jp.wsj.com

【寄稿】米政府もロシア大統領選に干渉せよ
By Janusz Bugajski
2018 年 2 月 14 日 14:06 JST
――筆者のヤヌス・ブガイスキ氏は欧州政策分析センター(ワシントン)のシニアフェローでロシアに関する共著「Eurasian Disunion: Russia’s Vulnerable Flanks」がある

 ***

 米中央情報局(CIA)の報告によると、ロシア政府は11月の米中間選挙に干渉する準備をしている。攻撃は最大の防御だという論理から言えば、米政府はロシア政府に対するサイバー攻撃を検討すべきではないのか。的を絞った猛攻撃はウラジーミル・プーチン政権の安定を揺るがし得る。

 

 ロシアは3月18日に大統領選を控えている。結果は既に決まっているのも同然で、まずプーチン氏が勝つだろう。だがこの国はサイバー攻撃には脆弱(ぜいじゃく)だ。秘密作戦の鍵は、ロシア当局者のやり取りをハッキングして拡散させることになるだろう。クレムリンに照準を合わせ、省庁、議会、主要企業、従属的な政党、当局者間の個人的な通信を狙うのだ。

 

 政権は主要メディアを支配しているが、ソーシャルメディアを通じて扇動的なリークが広まる可能性はある(ロシア政府は欧米の偽情報の拡散にソーシャルメディアを活用している)。目的は、ロシア高官の衝撃的なスキャンダルを暴き、彼らの腐敗ぶり、ぜいたくな暮らし、公然としたうそ、一般市民軽視のひどさを国民に見せることだ。

 

 特に貴重なのは、個人的な利益のために平気で国を裏切る当局者やオリガリヒ(新興財閥)や官僚の体質をあぶりだすメッセージだ。大統領選への出馬を阻止されたアレクセイ・ナワリヌイ氏は汚職撲滅を訴えているが、ロシアでの公金着服についてその同氏よりも包括的な情報を欧米の情報機関が握っていることは確かだ。

 

 米国はロシア大統領選後、心理作戦の一環として攻撃を続けてもいい。そうした戦略では2つの目的が中心になる。ひとつは政権から国民を遠ざけること、もうひとつは政権内に権力闘争を引き起こすことだ。当局者が国を裏切り公金をむさぼる様子をつぶさに暴けば、社会、民族、地域、宗教を背景にした騒乱を煽(あお)る可能性がある。大衆の生活水準が低下し続けているとあってはなおさらだ。そうなれば、政権交代は搾取され操られてきたロシア市民の責務となる。

 

 同時に、支配層内部での対立を暴露すれば、政府に不透明感と不安を生み、政権の政治的な脆弱さを浮き彫りにするだろう。それがプーチン氏の失脚に直結しなくても、ロシア政府の関心を欧米民主主義に対するサイバー戦争からそらすことにはなり得る。

 

 ロシアに対するそうした攻撃は相手を挑発し、米ロの対立に発展するとの慎重な意見も出るだろう。しかしロシア側からすると、ロシアによる選挙干渉に米国がこれといった対応をしないのは弱さやもろさの表れだ。米国の民主主義に対する攻撃が今日まで続いているのは、反撃が足らず、ロシア当局者に対する金融制裁の影響が限定的なことが大きい。

 

 それに、ロシア政府はいずれにせよ米国が選挙に干渉したと非難する。どのみちそうなるなら、米政府は何かを遂行した方がいいのではないだろうか。