今日の中国57 シェア自転車会社、残骸を残して全滅

経済関係の記事では中国を礼賛する傾向があります。

スピードが早いことが魅力なのでしょう。

 

シェア自転車もその1つ。

「日本のシェア自転車は不便」

「中国を見習うべき」

などの主張が昨年まではありました。

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ところが、2018年現在、100社以上が倒産して生き残ったのは、大手企業テンセントとアリババ傘下の「Mobike」と「Ofo」2社だけです。この2社も大赤字ですが、母体が大企業なのでとりあえず残ったのです。

 

中国人評論家によると、中国のシェアエコノミーには3つの大きな欠点があるとか。

1つ目は、業界の同質化現象が深刻で創造性に欠けていること。

2つ目は、ビジネスモデルがはっきりしていないこと。

3つ目は、資源の支配・管理力に欠けてること。

 

ちょっとわかりにくい表現です。

要は「後先考えずに、とにかく儲けることに全力を尽くす」のが中国流なのです。

経済にもモラルが無い。

 

これは、日本人の気質に合いません。

自転車の残骸の山を眺めると、中国という国の有様がそのままに現れているようです。

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www.epochtimes.jp

「新四大発明の一つ」と持ち上げられるも、中国シェアリング企業「ほぼ全滅」
2018年04月12日 12時56分

近年、中国ではシェアリングエコノミーが急速に拡大している。おなじみの自転車シェアリング、カーシェアリングのほか、携帯充電器シェアリング、雨傘シェアリング、トイレットペーパーシェアリングまでが誕生した。「シェアリングエコノミーは中国の新四大発明の1つだ」と中国当局は吹聴しているが、今はシェアリング市場は倒産の嵐が吹き荒れているようだ。

 

中国メディア「東方財富網」は最近、『1000億元(約1兆7000億円)を無駄にした中国式シェアリングエコノミー、今やほぼ全滅』と題する評論記事を掲載した。同記事は、シェアリングエコノミーの代表格である自転車シェアリング企業の現状に言及した。

 

今年に入ってから、自転車シェア最大手のうち、ofo(オフォ)が3月、電子商取引最大手アリババ集団から約55億元(約935億円)の追加融資を受けた。モバイクが4月に233億元(約3891億円)で、国内O2O(オンライン・to・オフライン)大手の美団点評に買収された。昨年経営破綻した小藍単車は1月に、配車サービス最大手の滴滴出行の傘下に入った。

 

中国電子商取引研究機関の電子商務研究センターの調査では、2017年の1年間、自転車シェア業への資金投入は258億元(約4386億円)に達した。同評論記事では、利用者から徴収される保証金も計算に入れると、昨年同業界に投入された資金が600億元(約1兆200億円)に上ると推測された。

 

その一方、倒産した企業は多い。中国メディア「証券日報」は昨年11月、電子商務研究センターの統計データを引用して、経営破綻した自転車シェア企業の数は60社以上だが、未公表の企業を加えると全体で100社以上が倒産した、と報じた。

 

昨年、約15億元(約255億円)の資金投入を受けたカーシェアリング業界では、大手の「EZZY」と「友友用車」の2社が経営破綻した。同様に、昨年20億元(約340億円)の追加融資を受けた携帯充電器シェアリング業では、楽電、小宝充電、創電など7社も昨年末に破産を宣言した。

 

ほかに、雨傘シェアリング、パソコンシェアリング、睡眠倉(昼寝専用カプセルホテル)シェアリング、携帯シェアリング、トイレットペーパーシェアリング、洋服シェアリング企業もすでに活気がない。

 

電子商務研究センターがは公布した『2017年度中国シェアリングエコノミー発展報告』によると、17年12月まで、全国シェアリング企業190社は約1160億元(約1兆9720億円)の投資資金を獲得した。

 

「1000億元以上の資金をシェアリング市場に投じられても、滴滴出行を除き、モバイクなどの業界大手が他の巨大企業に合併された」との現実を突きつけられた。

 

同センターアナリストの陳礼騰氏が、17年の業界状況をみると、シェアリングエコノミーに3つの大きな欠点があると指摘した。1つ目は、業界の同質化現象が深刻で創造性に欠けていること。2つ目は、ビジネスモデルがはっきりしていないこと。3つ目は資源の支配・管理力に欠けてること。

 

また記事では、中国シェアリング企業の若き創立者たちは、欧米などの起業家と事業に対する心構えが違うと指摘した。「中国若者は会社を創立した後、事業を急速に拡大していくために、人脈や資金調達などに大半の時間を費やす。しかし、欧米などの巨大企業の創業者たちは、製品の品質や技術の向上に熱心だ」

(翻訳編集・張哲)