日本のマスコミはほとんど報道しないことですが、
オーストラリア(豪州)と中国の関係が悪化しています。
有り体に言えば、すっかり舐められていると表現したほうが正しい。
2015年に就任した豪州のターンブル首相は、親中国派であるとされています。
彼の息子の妻は中国人であり、首相本人もリベラルな政治姿勢だったのです。
首相は、就任した年に、ダーウィン港を99年間中国企業(嵐橋集団)に貸し出す契約を結びました。
嵐橋集団は中国軍直轄の企業であると言われており、左派のニューヨーク・タイムズですら「中国は米と豪の海軍活動をスパイする最前列を購入した」と記事にしています。
(豪、中国企業に北部ダーウィンの港湾を99年間貸与 海兵隊駐留の米国は反発(1/2ページ) - 産経ニュース)
国際社会の常識からすれば、ニューヨーク・タイムズの見解が正しいでしょう。
そのうえ、中国政府は豪州の政治家に多額の政治資金を渡しています。
(豪州、外国からの政治献金禁止へ 中国の影響力増大を懸念 | ロイター)
中国外務省は、
「豪州の政治に影響を及ぼすつもりはない」
「オーストラリアには偏見を取り払い、中国と中国との関係について、客観的かつ前向きな態度で評価することを求めたい」
などと発言していますが、語るに落ちるとはこのことです。
また、経済的にも影響を与えています。
(中国マネーが引き金に、オーストラリアで大規模スト未遂事件 | China Report 中国は今 | ダイヤモンド・オンライン)
シドニーの不動産を中国人が買い占めたために、住宅価格が高騰しています。わずか3年で35%も価格が上昇しました。
それがきっかけとなり、地域に安心して住めなくなった中間層の怒りが爆発し、今年の1月には大規模ストライキが起こる寸前でした。何とか回避できたのですが。
最近になって、やっと中国の露骨な安全保障、政治、経済への侵略に気付いたようです。
中国への友好的な振る舞いは「属国にして下さい」と意思表示するのと同じなのです。
少し遅いようですが。
北(北極航路)、西(中央アジア・中東・アフリカ)、南(東南アジア・豪州)を抑え、最終的には東方の台湾と日本を支配下におく思惑なのです。
クジラのことで日本を非難している場合では無いはずです。
足元から中国にからめ取られている。
本当の脅威を見誤るととんでもない目にあいます。
【緊迫・南シナ海】中国が豪艦船を「挑発」か 丁重ながら「荒々しかった」
産経新聞
2018/04/20 12:49【シンガポール=吉村英輝】オーストラリア公共放送(ABC、電子版)は20日、ベトナムに向けて南シナ海を航行していた豪艦船3隻が今月初め、中国の艦船から「挑発」を受けていたと報じた。中国は今月、軍事拠点化を進める南シナ海で「中国史上最大規模」とする観艦式や軍事演習を実施している。豪艦船との対立は、この演習などに関連して起きたとの見方を同放送は伝えている。
豪艦船3隻は現在、3日間の予定でベトナムのホーチミンを親善訪問中。中国艦船との対立は、豪艦船がそれぞれ寄港先だった、フィリピンのスービック湾や、マレーシアのコタキナバルから、ホーチミンに向かう途中に起きたという。
中国による挑発の詳細は不明だが、豪当局筋は、やりとりは丁重ながらも「荒々しかった」と強調した。