『海街diary』のこと。
吉田秋生の漫画が原作。この人まだ描いていたのだ。感心する。
私が十代の頃読んだ記憶がある。30年以上前の話だ。
あの頃は、青少年漫画以外にも少女漫画「花とゆめ」なんかも読んでいた。
少年マンガと少女漫画を比べると、作品のレベルの高さに驚かされる。
女の子の精神年齢の高さに。
男ってガキだなと今でも思う。
情事という言葉を覚えたのはこの人の漫画で。
題名もどんなストーリーかもはっきり覚えていない。
ある青年が親切心から家に親戚の女の子を泊めて、もちろん特に何もなく彼女は朝目覚める。そこへ青年の友人(男)が訪ねてくる。そして青年のベッド(借りていたベッド)から出てくる彼女を発見し、何故か激怒する。
青年が「これには事情があるから聞いてくれ」と言うが、「情事なんか聞きたくない」と出て行ってしまう。
ポカーンとした青年と少女が残され、
「変わった友達ね」少女に言われる。
この部分しか覚えていない。
この漫画で「事情」と「情事」の違いを知った。
そんなことはともかくも、映画『海街diary』のこと。
役者が良いと映画も更に良くなる例だ。
広瀬すずが美形すぎる。それなのに、やや暗い雰囲気を漂わせ愛人の子供を演じていた。
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆の3人が個性を出しながらもぶつからず、まとまっている。
しかも、パッピーエンドにみえて実はそうではない。
不穏な空気感を拭い切れない。
すずの未来が見える。
愛人の子供はやはり愛人になるのだろう。
本人がどんなに頭で拒否しようとしても、親の生き方を真似るのが子供なのだ。
長女(綾瀬はるか)は父を憎みながらも、やはり不倫していたことからも分かる。
すずの姉妹たちは苦労するだろう。
ヤンキーの子供は、ほとんどヤンキーになる
『思い出のマーニー』のこと。
福祉の現場で非行の少年少女達と多く接してきた。それと同時に彼らの両親とも話をした。
その中でひとつ結論。
ヤンキーの子供はやはりヤンキーになる。
元ヤンへの人権侵害ではない。
客観的事実である。
本人が生まれた時には、両親がまじめに働いて生活している姿しか見ていなくても、やはりヤンキーになる。
『思い出のマーニー』に話を戻す。映像も脚本も声優も非常に優れたアニメーション。
とりわけ主人公の杏奈の描写が秀逸である。声優の有村架純がまたピッタリ。
杏奈は、両親を全く知らない設定だが、両親がヤンキーなので、その徴候を描いている。
ボーイッシュではなく、繊細なヤンキー風に。有村架純が声で上手にそれを表現している。
あれは十代後半には、絶対少しグレるタイプ。
そして母親に「あんたなんか本当の母親じゃないくせに」とか言うだろう。
ただ、マーニーの言葉を思い出して、和解するだろう。