6月19日のEテレ、サイエンスZERO『祝!命名権獲得?113番元素はこうして作られた』を見た。小保方晴子のために散々叩かれた理研だが、やはり凄い研究所だったのだ。
この元素がどのような苦労の末に作られたか、理化学研究所がマンガでわかりやすく描いている。
物理学者の仁科芳雄が開発したサイクロトロン(円形の粒子加速器)がアメリカ軍によって破壊される場面から始まる。1945年8月日本に勝利したアメリカは、日本の物理学者がすでに粒子加速器まで開発していることに驚嘆した。その科学力を恐れた彼らはサイクロトロンを破壊するという暴挙に出る。
今から71年も前の話だ。
その後、仁科博士の理化学研究所に森田浩介が入ってくる。
現在の九州大学大学院理学研究院、森田浩介教授である。
2004年7月23日、彼と彼のチームは新しい元素を作り出した。
それが「ニホニウム」である。
詳しいことは理研のマンガを読んだほうが分かりやすいので割愛するが、今回の元素「ニホニウム」を創りだしたのが日本人であることは、人類の歴史に大きく残るだろう。
周期表の元素のうち93番目以降は、人工的に作られたのもので、それら人工元素はアメリカ、ロシア、ドイツの3カ国が独占してのだ。この3カ国は白人の国である。
つまり、白色人種だけが成し遂げていたことを、黄色人種の日本人が可能にしたのである。
まるで幕末以降の歴史が繰り返されているのを見ているかのようだ。
日本人への差別意識を甘く見るな
日本人は白人の差別意識を甘く見すぎている。
彼らは表面的にはフレンドリーで、日本の偉業を讃えるかもしれない。
しかし、内心にはどれ程の悔しさがあるだろう。簡単に想像できる。
低い鼻と細い目そして黄色い肌の小柄な体格の留学生が一人、あるクラスに編入してきた。そのクラスには高い鼻と大きな青い目そして白い肌の大柄な体格の生徒ばかり。
クラスのほとんどの生徒が留学生を小馬鹿にし「猿」扱いしていた。数名の生徒は哀れに思い、勉強やスポーツを教えてあげた。
元々優秀だった留学生はすさまじい努力を続け、ほんの数年間であらゆる分野においてクラスのトップになった。小馬鹿にしていた生徒達はもちろん面白くない。それ以上に、哀れに思い優しくしていた生徒達も言葉には出さないが内心面白くない。
現在世界で日本国が置かれている状況はこんなものだろう。
英国のEU離脱の理由
ここで英国のEU離脱のことである。
英国の状況はどうなっているのか。それを知れば今回の国民投票の結果が分かる。
まず、首都のロンドン市。現在、ロンドン市長はイスラム教徒のサディク・カーンである。彼は、ロンドン生まれロンドン育ちのパキスタン系イギリス国民だ。それでもキリスト教国の英国の首都にイスラム教徒の市長が誕生したことは、とてつもないショックだっただろう。
移民の増加によって、イスラム教徒の影響力がキリスト教徒をうわまわった。
(ちなみにEU参加国は、移民を拒否することは出来ない。)
日本で例えるなら(例えるのが難しいが)辻元清美が東京都知事になったようなものか。辻元清美ではイスラム教徒に失礼かも
マスコミは、離脱派が移民に対する人種差別を煽ったかのようなレポートをしているが、私はそうではないと思っている。たぶん、残留派ですら内心は面白くなかったはずだ。
自分たちの伝統やそれを元にした国が失くなってゆくことへの、本能的な恐れが離脱を決定したのだ。