ラジオ少年だったので、なんでも聴きまくり、
クラシックに詳しくなった。
FMラジオをテープに録音して聴いていたのだ。
自分では楽譜もろくに読めないが、少し聴いただけで、
曲調から、作曲者が分かるようになった。
今でも分かる。子供の耳は大したものだ。
しかし、『剣の舞』の作曲者だけは大人になるまで知らなかった。
現在ならすぐにネットで調べるのだが、
子供の頃は、ネット環境がなかったのだ。
パソコンも業務用か研究用しかなかった。
『剣の舞』最高だ。
突然始まる冒頭部分。そして唐突に終わるラスト。
作曲者は、アラム・ハチャトゥリアン。
「誰それ」ほとんどの人がそう言うだろう。
『剣の舞』は誰が聞いてもわかるのに。
以下はウイキペディアからその顛末。
エピソード
作曲者ハチャトゥリアンが『ガイーヌ』を制作した当初、この曲は含まれていなかった。しかし初演前日になって「クルド人が剣を持って戦いの踊りを踊る」場面が追加されることになり、ハチャトゥリアンは急遽その場面のための曲を作曲する必要に迫られた。そして彼は踊りにふさわしいリズムを机を指で叩きながら徹夜で考案した末に現在の曲で使用されているリズムを閃き、一挙に曲を作り上げたと伝えられている。
この曲は彼の名を後世に残すことに大きく貢献したが、あまりにも曲だけが有名になってしまったため、本人にとっては複雑な心境だったらしい。ハチャトゥリアンの弟子の寺原伸夫は、「ミスター剣の舞」と呼ばれてむっとしていたり、「こうなると知っていたらこの曲は書かなかったよ」とぼやくハチャトゥリアンの姿を証言している。
「他の曲も知ってくれ」という叫びが聞こえるようだ。
初演前日に慌てて作曲した、たった3分間程の曲が世界的に有名になり、
本人の名前はほとんど知られていない。
一発屋はどの分野にもいるものだ。
それでも素晴らしい一発屋だが。
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