「非核平和都市宣言」とは何ぞや?
仕事のため、某市に立ち寄る。
猛暑の中で、クーラーの効いた公民館に入った。
8月が終戦の月のせいか、空襲に関する資料が展示してあった。
空襲の展示には興味深いものがあった。
しかし、展示の冒頭にあったのが、
「非核平和都市宣言」。
昔からよく見かける。何の意味があるのかと思っていたが、
やはり現実には、何の意味もない。
「真の恒久平和と安全の願いは人類共通のものである。
しかしながら、核軍備競争は依然として続き、今や人類は自らを破滅させる危機に直面している。
わが国は世界で唯一の被爆国として平和を望む全世界の人々とともに人類の安全と生存のため核兵器廃絶に向けて積極的な役割を果たさなければならない。
豊中市は日本国憲法にうたわれている平和の理念を基調に、非核三原則の厳守を求め、核兵器廃絶を訴え、平和と安全のために貢献する決意と共に、市内での核兵器の生産、貯蔵、配備はもちろん、その通過を許さないことを表明し、ここに非核平和都市となることを宣言する。」
一行目の「真の恒久平和と安全の願いは人類共通のものである。」前提がすでに間違っている。
たぶん、憲法前文に
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」
と書いてあるので、世界中が同じ認識だと思い込んでいるようだ。
その他の自治体を調べてみても、ほとんど同じ文言で始まっていた。
「平和を愛する諸国民」は日本国の周囲にいない
「真の恒久平和と安全の願い」を持つ国家は、
他国の領内にいるテロリストを、その国に何の了解も得ず特殊部隊を派遣し、裁判もなしに、殺したりしない。
勝手に他国の領土を、これはもともと我が国のものだと軍事占領しない。
どう見ても他国の領海なのに、この領海は我が国のものだと強引に軍事基地を作ったりしない。そしてそれを第三者から咎められても、「紙くず同然」と開き直ったりしない。
憲法に書いてあるからといって、それが現実になることは無いのだ。
71年前の日本人が、必勝の信念だけでは、アメリカに勝てなかったように。
もう71年も過ぎたのに、いつになったら日本人は現実世界から学ぶのだろう。
学ぶ頃には、国が終わっていたりして。
洒落にならない。