「和解のテーブル」は保育園にあっても、シリアには無い。

シリア情勢 停戦合意破綻

シリアがエライことになっている。

アサド大統領の政府と反体制勢力との停戦合意が破綻した。

ロシアが、IIS(イスラム国)を掃討せずに、反体制勢力を爆撃しているのが原因だ。

www.cnn.co.jp

ロシアの空爆地点は、ほとんどが反体制勢力のいる場所だ。

 

アメリカが批難しても、ロシアは逆にアメリカを批難している。

完全になめられているのだ。

国連といっても単なる大国・強国の集まりに過ぎないことがはっきりしてしまった。

本来日本語訳が悪い。

United Nationsを国際連合と訳するのは完全に誤訳である。

united=連合した

nations=国

つまり連合国が正しい。

連合国同士の力のバランスで世界は動いているのだ。

日経新聞のコラム

世界情勢を見るのが好きなので、日経新聞は朝刊、夕刊ともに読んでいる。

 

経済の記事が中心なので、現実的な内容が多いのだが、コラム欄に本音が書いてあるように感じる。

2016/10/06今日の夕刊一面に国谷裕子が「和解のテーブル」との題名で書いていた。

この人は「NHKクローズアップ現代」でキャスターを務めていた人だ。

www.nikkei.com

要約するとこんな感じ。


アメリカに住んでいる13歳になる姪、さち子から、ピース・テーブル(和解のテーブル)の話を聞いた。
以前通っていた保育園の隅には、ある机があった。机の上には小さな石が1つある。
園児たちは争い事をすると、この机で向き合う。

喧嘩をした園児は、小石を手にした方が話をし、相手はその間黙って聞く義務がある。その結果、和解のテーブルのお陰で、両者の言い分を認め合えた。

かつて、国連事務総長特別顧問のラフダール・ブラミ氏にインタビューをした。彼は、レバノンやアフガニスタンで内戦の調停をしてきた。

争う当事者たちをどうやって和解させるのかと問うと、

「私たちはなにもしない。耳を傾けるだけ。解決策は当事者自らが考えてもらうことが大切なのだ」

と返答された。

保育園の和解のテーブルと同じ理屈だ。

 

言わんとすることは分かるが、無理があるのでは。

まず、保育園には先生がいる。

園児の安全を管理している大人がいるのだ。

どんなに争っても、無理矢理、和解のテーブルにつかせることが出来る。

しかし、現実の紛争地帯には、強力な権限をもった「先生」はいないのだ。

 

2013年9月10日までは、アメリカが何となく「先生」役をしていたが、

オバマ大統領が「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」と発言してからは、いなくなったのだ。

これからも「先生」役をする国はまず、出現しないだろう。

その前提が無くなった今、力の強い者、よりずる賢い者が小石を握って離そうとしない。

大国同士が、俺の意見が正しいと言いつのっている間に、紛争地で更に大勢の人間が殺されるだろう。