遅ればせながら『ムカデ人間』『ムカデ人間2』観る。
これは是非、観て欲しい映画。
スカトロジーと言うよりは、人の持つ好奇心の恐ろしさを描いている。
と私は、勝手に解釈している。
かつてシャム双生児の分離手術の名医であったドイツ人、ヨーゼフ・ハイター博士には、これまで自身が行ってきた分離手術とは反対に、人間の口と肛門を繋げて「ムカデ人間」を創造したいという密かな願望があった。
ある日、旅行中のアメリカ人女性リンジーとジェニーが車で移動中にタイヤがパンクし、ハイター博士の家に救助を求めてくる。ハイター博士は願望を実現すべく、何も知らない二人を快く迎え入れ、自身が捕らえていた日本人のカツローを加えたムカデ人間の製作に乗り出す。知的障害を持つ小柄な男マーティンは、ロンドンの地下駐車場で夜間警備員として働きながら母親とペットであるムカデと2人と1匹で暮らしていた。あるとき、マーティンは『ムカデ人間』のDVDを繰り返し鑑賞している内に自分もムカデ人間を作ってみたいという欲望にかきたてられる。
マーティンは夜の地下駐車場を訪れた人々を拳銃やバールで気絶させ、拉致して倉庫に監禁。更に映画の出演者の1人で、真ん中を担当していたアシュリン・イェニーを映画のオーディションと偽り倉庫へ連れ込もうとする。
所がその計画の進行中にムカデ人間についてまとめたファイルを母親に見られてしまう。マーティンが幼い頃に父親が彼を性的虐待して逮捕・投獄された事もあってかねてから息子の存在を疎ましく思っていた母親はマーティンのことを激しく罵り、彼のファイルとペットであるムカデを処分しようとするが、彼女の行動を見たマーティンは激昂し母親を殺害してしまう。
歯止めを失った彼の行動はエスカレートしていき、ついには12人もの人間が倉庫に集められる。そして、マーティンは映画のDVDを参考にムカデ人間の製作に取り組んでいく。
胃カメラ爺さんの話
20代の頃、近所に住んでいた一人暮らしの爺さんの知り合いがいた。
脳梗塞の後遺症があって、言語は不明瞭だったが、
付き合いが長くなると内容は分かるようになってきた。
ある日、胃の調子が悪いと訴えるので、病院へ連れて行った。
医者が、内視鏡を入れて検査するというのでしばらく待つ。
ところが1時間以上経っても出てこない。
何か問題があったのかと心配していると、出てきた。
まるで紙のような真っ白な顔色。死人の顔だ。
半開きの口、涎もたらしている。
よろよろとふらつきながら歩いている。
驚いて、医者に事情を聞くと、
「なかなか入らなくてね。こういう人いるんですよ体質的に。苦労しました」
と笑顔で答えた。
それ以来、胃カメラ恐怖症である。
あんな酷いことをするのは、しかも平然と行うのはまともな神経ではない。
ある意味、患者のためと思い信じ込んだサディストであろう。
医者にサイコパスが多いというのがよく分かる。
正しいことをしているとの信念で、楽しめるのだから。
内視鏡の起源|内視鏡の歴史|オリンパス おなかの健康ドットコムより引用
こんなのだったらしい。
まっすぐな棒でしかない。
人間に試すのは余程、医学的好奇心旺盛な人間しかできまい。
考えただけで吐き気がしてきた。
『ムカデ人間』シリーズがヒットした理由がここにある。
人間は誰もが、自らの好奇心を満たしたい生き物だ。
しかも正当な論理を持って。
外科医、歯科医、そして胃カメラを試してみた人の気持ちが分かる。
このシリーズの主人公達は、好奇心の権化である。
『ムカデ人間3』で完結らしい。
まだ観ていない。舞台がアメリカなのは気に入らない。
禍々しい雰囲気はヨーロッパのほうが上だ。歴史があるから。