日本の風土病、自殺
ha-kurehanosatosi.hatenablog.com
の続き。
(写真は、深夜残業を禁止し22時以降消灯した電通)
昨年は、広告会社大手電通での過労自殺の話題が大きく取り上げられました。
電通に勤務していた女性新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)のことです。
高橋さんは2015年12月25日、住んでいた都内の電通の女子寮4階から、飛び降り自殺しました。
労働基準監督署は「仕事量が著しく増加し、時間外労働も大幅に増える状況になった」と認定して、心理的負荷による精神障害で過労自殺に至ったと結論づけました。
今でこそ大きく報道されますが、
高度成長期には、過労自殺は今よりもっと多数いた筈です。
厳密には自殺していないが、過労による突然死が多かったのでは。
統計上では分からない過労死とは、緩慢な自殺です。
悲壮美を愛するのは日本人の多数派
日本人は歴史を経ても変わらない精神性を持っています。
国が滅亡するような状態にあれば当然かもしれないけれども、全く逆に経済的に豊かであっても、悲観的なのが日本人なのです。
厚生労働省がネットにあげている「自殺者数の推移」2ページ目にある、
第1-2図 自殺者数の長期的推移(人口動態統計)を見ると一目瞭然。
平成9年(1997年)のバブル崩壊の年からはもちろん、
昭和30年代、40年代と日本が高度経済成長期にある時でも、自殺は増加しています。
私なりに、結論づけると日本人の多数派は、いかなる時も悲壮美を愛しているのです。
・毎年夏の終わりに恒例になっている、チャリティー番組の長距離マラソンは何故続くのか。実況中に、もし死者が出たらどうするのか。
・箱根駅伝は必要なのか。マラソン選手の身体を、寒さと箱根の過酷な高低差による負荷で痛めつけているだけではないのか。
・真夏の甲子園での高校野球大会は何故続けられるのか。
真夏の炎天下、長時間、甲子園で試合をすることで、どれだけ多くの選手が身体を壊しているのか。
それに、甲子園の砂に意味があるのなら、冷房の効いた京セラドームで試合して、負けたチームにはビニール袋入りの甲子園の砂を渡せばよいのでは。
これらのことをもし、TVのキャスターが発言すれば、どんなに正論であっても「お前は何も分かっていない」とパッシングされて仕事を干されるでしょう。何故ならば、もし正論が実行されれば、絶対に視聴率が取れないからです。
楽ちんに走ったり試合をしている選手を、誰が見たがるでしょうか。
いわゆる「楽しんでいる」選手は嫌われるのです。
これは賭けてもいい事実です。
日本人の悲壮美を愛する精神性が、過労死の大きな原因になっているのです。
電通だけが問題ではありません。
過労死や自殺を防ぐには、第三者の精神科医か心理学者を、企業に常駐させて、危険な状態にある社員は強引に休ませる方法しかないのではと思います。