『ダーリンは71歳』高須克弥院長とのバカ話
『ダーリンは70歳』の続き。1年後なので、「71歳」。
あいかわらず、下ネタ話満載です。
一見汚い原色絵と下ネタ話が西原理恵子の真骨頂なのです。
そして、慣れてくると西原理恵子のマンガは癖になる。
ha-kurehanosatosi.hatenablog.com
高須克弥、美容整形外科医の経験
愛人の高須クリニック院長、高須克弥は美容整形外科医なので、色々な癖(へき)の患者を診ています。
あるおじいさんが相談に来た。立派な身なりの紳士で、社会的地位もありそうな男性だ。
「わたくしですね。人並以上に働き会社を経営して、多くの人を養い、子供を全員立派に成人させました。もう社会に対する自分の役目は十分に果たしたと自負しております」
「つきましてはブラジャーをつけるのがわたしの生涯の夢でした」
「私におっぱいを作って下さい」
それに対して、高須院長は「Yes。おまかせ下さい」と即決。
「大きめ入れといて上げた」そうです。
笑い、そしてそれもまた人生なのかと感心させられました。
こんな経験をできる高須院長がうらやましい。
高須院長、少年の頃
バカ話がほとんどを占めるマンガなので、軽くかつ楽しく読めます。
しかし、所々で胸を打たれるページがありました。
高須院長の家は、400年続く代々医者の家です。
院長の少年時代、彼の祖母が医者をやっていました。
終戦時に、夫を戦争で失い、子供たちを抱えて途方に暮れた女たちが沢山いました。
日本の都市部では、女性の仕事はもちろん男の仕事すらない焼け野原でした。
仕方なくアメリカの進駐軍相手に売春をする他、家族を生かすことは出来なかったのです。
客を取れるようにするため、祖母は、女性に対して整形を施したそうです。
また、売春の結果、妊娠した女性に堕胎手術をしてあげた。
祖母は「ワシは死んだら必ず地獄に落ちる」「この手で何千人、殺したか見当もつかん」と。
当時、闇医者が横行し、いい加減な堕胎手術のために死んでしまう女性も山ほどいたため、高須病院は大行列。
ほとんどの人はお金がなかったので、進駐軍の缶詰を置いていきました。
「ぼくはそれを食べて、大きくなった」と高須院長。
「みんな淡々と自分の務めを果たしただけ。まあ生きていくというのはそういうことなんですよ」
この言葉に、人生の意味を深く考えさせられました。