映画『東京裁判』は、長いドキュメンタリー映画です。4時間36分もあります。
しかし、何度も観ると、被告と検事、弁護人達の微妙な表情の変化に気づきます。
とりわけ、東條英機とキーナン検事とのやり取りは痛快です。
勝者が敗者を裁く茶番劇のような法廷で、東條の辛辣な物言いはキーナンをしどろもどろさせる。溜飲が下がります。
この裁判自体が単なる復讐劇であることを、この2人の映像がはっきりと証明しています。
裁判形式にしたことで、連合国側の悪巧みがバレたうえに、映像として残ってしまった。
『東京裁判』は、DVD版がオススメ
できれば、ネット上の動画ではなく、DVDで観たほうが画質が良いので分かりやすい。
表情がはっきりと分かります。
それにDVD版は字幕がキレイです。映画の字幕をわかりやすく付け直しています。
元の映画字幕では白い背景と一体になってしまい、よく見えない箇所が何度もありました。
冒頭のミズーリ号上の降伏文書調印など、マッカーサーの演説字幕がほとんど見えず、腹が立ちます。
この映画は裁判ドキュメンタリーなので、字幕が無いと内容について行けません。
DVD版がオススメです。レンタルでもいいから観て欲しい。
東條英機の役割とは
東條英機は日本国民に対して、敗戦の責任があります。
それは、本人も東京裁判の中で認めています。
では、東條の裁判での役割とは何だったのでしょうか。
先帝である昭和天皇をお守りすることのみです。
東條英機は、昭和天皇を守るためにすべてを懸けたのです。
それだけで、敗戦の責任は許されます。
あのとき、昭和天皇をお守りするということは、日本の歴史そして日本人の歴史そのものを守ることなのです。
キーナン検事の反対尋問
キーナンの反対尋問は次のように始まりました。
(東京裁判 vol4/4では、17分45秒から)
「被告、東条……東条」(わざわざ2回呼び捨てにしている)
「私はあなたを大将とは呼びません」
「日本にはすでに陸軍が存在しないからです」
「この宣誓口供書の目的は、あなたが自分の無罪を主張し、
それをこの法廷で明白にするためですか、それとも日本国民に向かい、
帝国主義、軍国主義の宣伝を、なおも継続せんとする意図にあるのですか」
このような侮辱的な言い方で始まった反対尋問も、東條と言い争っているうち、キーナン自身が、自分の発言が矛盾しており、東條側に正論があることに気づき出します。
そして、無意識に「Mr」と敬称をつけて呼んでしまうのです。
ナレーションでは、元外務大臣の重光葵の日記を引用して、その様子を描いていました。
キーナン検事の反対尋問がふるわなかった点を日記に記していた。
重光葵の日記より
「キーナンは冒頭に、自分は貴下を将軍の肩書をもって呼ばざるべしと、東条、東条と呼びおりたるが、いつの間にかMr東条(東條さん)と呼んだりした。キーナンの反対尋問は無事終了しうるや懸念さる」
NHKのドラマ仕立ての『東京裁判』は観る価値はない
NHKが昨年末にドラマ『東京裁判』を放映していました。
1話見ただけで、ガッカリです。
判事たちが、正義を実現しようとして裁判を行ったように描く事自体が、犯罪的です。
まともな法律家なら、裁判自体が無効であることを始める前に分かっていたはずです。
一体どこの国の国営放送なのか疑います。
受信料を払っているのは、日本国民なのを忘れているのでしょう。
ちなみに、私は払っています。だから文句も言いたい。
何故、第一級資料である映画をそのまま放映しないのか。
何に配慮しているのか。
情けなくなります。