映画『東京裁判』4 「マッカーサーの傲慢度と勘違いには、笑うしかない」

 

映画の初めに、戦艦ミズーリ号上の降伏文書調印式があります。

(東京裁判 vol1/4 12分37秒頃から)

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1945年(昭和20年)9月2日でした。

マッカーサーの振る舞いに、傲慢さと勘違いがはっきりと見られます。

 

黒船で日本にやって来たペリーの艦隊が掲げていた星条旗をわざわざ持参し、侵略者たる態度を隠すこともしませんでした。

 

そして、降伏した日本の主になって、これでもう戦争は終わったのだと勘違いし、まるで世界平和の使者のごとく振る舞ったのです。

5年後に、現在(この瞬間)までも続く、とんでもない泥沼戦争(朝鮮戦争)を体験するとも知らずに。

背後には、ペリーが持参したアメリカ国旗

戦艦ミズーリ号には、2枚の星条旗が持ち込まれました。

1枚は、真珠湾攻撃時にホワイトハウスに飾られていた物(48州の星が描かれた星条旗)。

もう1枚は、1853年の黒船来航で東京湾に現れた、ペリーの艦隊が掲げていた物(31州の星が描かれた星条旗)です。

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映像の中で、マッカーサーが調印のテーブルに登場した時、背後にある星条旗には31個の星しかありません。

31州の星が描かれた星条旗、つまりペリーの艦隊のものだったのです。

 

マッカーサーは、ペリーも日本を侵略・統治するつもりだったことを、はっきりと表に出したのです。

 

この認識は日本人には驚きです。

陸軍中将、石原莞爾の言葉を思い出しました。

彼は、大佐のときに、満州事変を起こした陸軍参謀です。

 

重病のため、出張法廷にて証言しました。

「それなら、ペルリ(ペリー)をあの世から連れてきて、この法廷で裁けばよい。もともと日本は鎖国していて、朝鮮も満州も不要であった。日本に略奪的な帝国主義を教えたのはアメリカ等の国だ」

彼の発言は、マッカーサーの思惑をはっきりと突いていました。

あの当時に、大したものです。

マッカーサーの演説に失笑する

マッカーサーは、以下のような「演説」をしました。

「われわれ交戦国の代表は、ここに集まり平和回復の厳粛な合意を結ぶことにした。」

 

「私の切なる願いそして全人類の願いは、この厳粛な式典を期に、流血と蛮行の過去からよりよき世界が信頼と理解の上に築かれ,

人類の尊厳と人類の最も希求する願いである自由と寛容そして正義の実現に捧げられる世界がうち樹てられることである。」

 

「私はここに日本の天皇、政府ならびに大本営の代表に対し降伏文書の所定の箇所に署名することを求めるものである。」

 

ナレーション<この日マッカーサーは、単に勝利を誇示する軍人にとどまらず、理想という価値を知る政治家としてふるまった。>

 

単に戦争に勝利しただけでこのはしゃぎよう。何でしょう、これは。

まるで神に遣わされた使者のような発言内容です。

よくぞ、この映像と音声を残してくれていたと、アメリカに感謝したくなります。

 

失笑モノです。この5年後には、朝鮮戦争が勃発し、

「満州に原爆50発、投下しろ」

「38度線より南に中国とソ連が進撃できないように、日本海から黄海まで朝鮮半島を横断して放射性コバルトを散布しろ」

などと言い出すのですから。

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超エリートのマッカーサーですら、目の前のことすら見えていなかった。

賢ければ、未来が予測できるわけでは無いのだとつくづく感じます。