中国は共産党による一党独裁の国家です。
政治方針や経済政策の決断はすべて、その時の共産党トップが決定します。
大会で発表する前にすでに決まっていることなのです。
インターネットが普及している中国ならば、決定事項をメールで伝えればすむのではないか。
何故わざわざ決定事項を大会で発表するのか疑問でした。
警備費用も馬鹿にならないでしょう。
習近平の現体制を誇示することが大会の意図かもしれません。
それでも、共産党幹部が集合する場所には、反対派による暗殺の危険もあるはずです。
それでも行うのは、何か意味がある筈です。
地方の共産党員が2000人以上参加し、皆が判で押したように習近平への賛美を口にしていました。
しかし、彼らが本心から話しているとは思えません。
不満や批判があるのは当然なのです。
不満分子を明らかにするには、どのような方法が一番効果的か。
“顔を見る”ことでしょう。
壇上の幹部席からは、地方党員の動きは丸見えです。
もちろん表情も。
演説は、規定の倍の3時間半
習近平は3時間半も演説を続けていました。規定の時間は1時間半だったとか。
長老イジメですな。
91歳の江沢民元総書記は、あくびを繰り返し半分眠っていたようです。
幹部であればそれでも責められないかもしれません。しかし、一般の地方党員ならば、あくびをしただけでそれなりの責任問題になるでしょう。
演説中は、トイレにも行けなかったのでは。
かつてのソビエト連邦(現ロシア)党大会
中華人民共和国の先輩、ソビエト連邦の大会で、党員達はスターリン書記長が演説している間、何度も拍手をしていました。
いつまでも鳴り止まない拍手がずーと続いたそうです。何故ならば、誰かが初めに拍手を止めるとその党員は突然いなくなったのです。
この世からです。
存在自体を消されてしまうのです。
その恐怖から共産党員達は、延々と拍手を続けていました。誰かが止めるまで。
ソビエト連邦が崩壊してから26年が過ぎました。
それでも、中国では同じような恐怖政治が続けられているようです。