下記の地図が、中国目指す「一帯一路」構想です。
一帯一路とは、知恵蔵によると
中国の習近平(シー・チンピン)国家主席が提唱・推進している経済圏構想。略称はOBOR(One Belt, One Road)。中国を起点として、アジア~中東~アフリカ東岸~ヨーロッパを、陸路の「一帯」(シルクロード経済ベルト)と海路の「一路」(21世紀海上シルクロード)で結び、ゆるやかな経済協力関係を構築するという国家的戦略である。
らしいのですが、有り体に言うならば「この線の内側は俺たちのもの」です。
習近平は真剣に謀っています。
とうとう、アフリカのジブチにまで軍事基地を作ってしまいました。
ジブチ共和国は、世界一暑い国として有名です。最高気温71.5℃だとか。
それ以外に、日本にとって航海の要所として重要な地域です。
海外基地のすぐ隣には、アメリカ軍と日本の自衛隊
中国の海外基地のすぐ隣には米軍と自衛隊の基地があります。
米軍はテロ対策のために、自衛隊はタンカーが通過するこの海域に出没するソマリア海賊対策のために駐屯しているのです。
そのすぐ目の前に軍事基地を作るのは、完全な挑発行為です。
その証拠に、中国国営放送の新華社通信は「軍事協力や海軍演習、救出作戦などの拠点として使われる」と報じています。
NHKものんびり撮影している場合ではないと思うのですが、報道内容をみると緊迫感が伝わってきません。相変わらず平和ボケです。
中国がジブチに建設した初の海外基地を撮影
12月3日 18時05分
アジアとヨーロッパをつなぐ海上交通の要衝にある東アフリカのジブチに、中国軍がこの夏、初めて海外に設けた基地をNHKのテレビカメラが捉えました。基地は部隊の長期的な駐留を見据えた重厚な造りで、アメリカなどは中国が軍事的な拠点とするのではないかと警戒しています。
中国軍はことし8月、インド洋と地中海をつなぐ海上交通の要衝にある東アフリカのジブチに、海外で初めとなる補給基地を設置しました。基地の詳細について、外部から撮影した映像はこれまでほとんどありませんでしたが、NHKのテレビカメラがこのほどその姿を捉えました。
基地は厚さ8メートルほどの万里の長城を思わせるデザインの頑強な壁で囲まれ、監視塔には兵士の姿も確認できます。敷地内には司令部が入ると見られる建物や、4、5階建ての住居棟、さらにヘリコプターの格納庫と見られる建物の屋根も確認でき、基地全体が部隊の長期的な駐留を見据えた重厚な造りとなっています。
基地ではこれまでに衛星写真の分析で、長さ400メートルのヘリコプターの発着場が建設されていることや、艦船が停留する岸壁と見られる施設の建設予定地も確認されています。
この基地について中国は、ソマリア沖の海賊対策のための補給基地だなどと説明していますが、実弾を使った大規模な軍事訓練も行っていて、アメリカなどは中国が中東やアフリカで影響力を拡大するための軍事的な拠点とするのではないかと警戒しています。
中国軍基地に欧米が警戒感
中国軍が海外初の基地を設置した東アフリカのジブチは、インド洋と地中海を結ぶ海上交通の要衝で、アメリカ軍やフランス軍も駐留し、ソマリア沖で海賊対策の任務にあたる自衛隊も海外唯一の拠点を置いています。
このうちアメリカは、2001年の同時多発テロを受けて、アフリカで唯一の長期駐留のための基地をジブチに設置しました。現在、4000人ほどが駐留し、テロ組織の活動が活発化するソマリアでの無人機による空爆作戦など、アフリカにおける軍事展開の拠点ともなっています。
また旧宗主国のフランスも、アフリカ各地に展開する部隊の中でも最も多い2000人ほどが駐留しています。
また日本の自衛隊もソマリア沖の海賊対策のため、2011年から活動拠点を置いていて、この海域を航行する船舶の護衛や哨戒機による警戒任務にあたってきました。
アメリカなどは中国がインド洋や地中海での影響力を拡大するとともに、中東やアフリカでの軍事的な関与を強めようとしているのではないかと警戒を強めています。
中国が基地を設けたのは、アメリカ軍とフランス軍、それに自衛隊が拠点を置く地区から10キロほどのところで、軍事専門家は「中国は基地を拠点に、アメリカ軍などの軍事展開能力について情報収集を活発化させる可能性がある」と指摘していて、各国は中国軍の今後の動向を注視している状況です。
ジブチを重視 中東・アフリカの海上交通の要衝
中国は、アフリカ東部に位置するジブチを中東・アフリカ地域の海上交通の要衝として重視していて、中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」では、中国とアフリカやヨーロッパ市場を結びつける連結点と位置づけています。
中国はインフラ建設の支援などを通じてジブチとの関係を深めていて、隣国のエチオピアとを結ぶ長さ750キロの鉄道や、大規模な貿易港も中国企業が整備してすでに運用が始まっています。先月中旬にはジブチのゲレ大統領が中国を訪問し、習近平国家主席は会談の際に、両国の関係について「中国とアフリカにおける友好や協力の模範だ」と評価し、両首脳は「一帯一路」の構想を共同で推進して、関係を一層強化することで一致しています。中国軍の補給基地は、中国とジブチのこうした関係強化の動きに合わせるように建設され、ことし8月、海外で初めての基地として運用が開始されています。
中国政府は基地の目的について、ソマリア沖の海賊対策に参加する艦船への補給や、人道主義に基づく救援などの国際貢献に役立てるためだとしています。その一方、国営メディアは軍事協力や軍事演習などの拠点としても役立てるとしていて、ことし9月には基地の外にある訓練場で行われた装甲車や自動小銃などを使った初めての実戦訓練の様子も伝えています。
中国がこの地域で軍事的な影響力の拡大を狙っているのではないかという指摘も出る中、中国外務省の陳暁東次官補は先月、記者団に対し、「中国が行う護衛や救援などの国際貢献に役立てると同時に、ジブチの経済発展や安全保障、それに、地域の安全にも有益だ」などと、その狙いや意義を改めて説明しています。
ジプチの大規模プロジェクトにも巨額融資
中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」は、アジアからヨーロッパにかけて陸路と海路でつなごうというもので、その視野にはアフリカ大陸も入っています。
中でも中国が重視しているのが、インド洋と地中海を結ぶ海上交通の要衝となっているジブチです。中国はジブチで基地の建設を進めるとともに、大規模プロジェクトにも次々と巨額の融資を行っています。
中国軍の基地に隣接して建設された新しい港は、日本円にして700億円近くに上る総工費の多くを中国企業が融資しているということです。
このほかにも、ジブチと隣国エチオピアを結ぶ鉄道や国際空港の建設などにも巨額の融資が行われ、中国の影響力が拡大しています。
ジブチの商工会議所のトップ、ダワレ会頭は、NHKのインタビューに対し、「中国が先んじて投資を行ってきたのは事実だが、ジブチはすべての国に門戸を開いている。日本にも港などに積極的に投資してほしい」と述べ、日本からの投資に期待を示しました。