事実と違っていても、中国様の立場に寄り添う。
『広辞苑』執筆者の立ち位置がよくわかります。
朝日新聞の広告では、べた褒めしてあるので朝日と同じスタンスなのです。
有り体に言えば、親中派。
「頑固なこだわり」があり、顧客の要望はすべてを取り入れつもりはない(たとえそれが事実だとしても)。親中こだわりが強すぎるようです。
ロングセラーの条件は、「頑固なこだわり」を持ちつつも、時代の変化と顧客のニーズに対応する「柔軟さ」を併せ持つことです。その意味からすると、広辞苑はまさに半世紀以上にわたって売れ続ける条件を兼ね備えていることが分かります。しかし、10年という長い時間の流れの中で改訂を重ねるため、他カテゴリーのロングセラー商品にはない「熟成」という要素を付け加えています。顧客の要望も、すべてを取り入れてしまっては「こだわり」もブレてしまう。検討を重ねる10年間を経て、改訂がなされるわけです。美酒が樽(たる)の中で価値を高めるべく活動しているように、今日もまた、次の改訂に向けて編集部では作業が続いていることでしょう。
台湾を「台湾省」と掲載している岩波書店の広辞苑(第6版)
広辞苑には、3つの事実誤認があります
- 「一九四五年日本の敗戦によって中国に復帰し、四九年国民党政権がここに移譲された」。日本は1952年のサンフランシスコ講和条約第二条により、台湾に関する権利、権限、請求権を放棄しました。しかし、中国に返還したわけではありません。また、1949年に国民党政権に移譲されていません。日本政府は、台湾がどこの国に属するかはっきりと言ってはいないのです。
- 台湾が、中国の第26番目の省とされています。台湾はこれまで中華人民共和国に統治されたことはありません。
- 「日中共同声明」において、日本政府が中華人民共和国に台湾が帰属することを実質的に認めたとしています。しかし、外務省HPには「日本政府はそれに対して十分理解し、尊重する」とだけ記されており、わざと曖昧に表現してあります。つまり実質的に認めていないのです。
台湾からの抗議殺到
2017.12.16 05:00
台湾側、「広辞苑」の修正要求 「中華人民共和国の省」との記載「誤り」
国語辞典「広辞苑」で、台湾が「中華人民共和国」の一部として表記されていることに対し、台北駐日経済文化代表処(在日大使館に相当)が広辞苑を発行する岩波書店側に表記の修正を求める書簡を作成し送付したことが15日、分かった。関係者が明らかにした。来年1月に広辞苑の最新版「第7版」が刊行される予定だが、最新版での表記修正を求めている。
また在日台湾人組織「全日本台湾連合会」(全台連)など約20団体も、同様の修正を求める要請を行ったことが15日、分かった。
要請文によると、広辞苑「第6版」の中華人民共和国に関する項目で示された地図で、台湾を中国の省として記載している。また1972年に調印した日中共同声明では、日本は中国側の立場を「十分理解し、尊重」と表現するにとどめているにもかかわらず、同声明に関する項目では「日本は中華人民共和国を唯一の正統政府と認め、台湾がこれに帰属することを実質的に認め」などと書かれている。
全台連の趙中正会長は要請後に産経新聞の取材に対し、「日本を代表する国語辞典が事実に反する表記をするのは決してあってはならない。日本の国益にも関わる問題なので、誤りを認識してもらいたい」と述べた。
岩波書店側は、修正するかどうかなどについて明言を避けたという。
広辞苑は55年の初版から改訂を重ね、来年1月12日には10年ぶりの全面改訂となる第7版が刊行予定。
中国では、事実は「雑音」扱い
中国共産党機関紙、人民日報では、
「岩波書店が台湾側の雑音に応えることはほぼあり得ないが、(修正に応じれば)中国側の激しい反発を引き起こすだろう」
と反応しています。
「雑音」ですか・・・・・・。まともな国ではそれを「事実」というのですが。
2017.12.18 20:47
「台湾は中華人民共和国の不可分の一部だ」 広辞苑「台湾」表記問題で中国 中台の間に立たされた岩波書店
岩波書店の国語辞典「広辞苑」で台湾が中華人民共和国の一部として表記されている問題で、中国外務省の華春瑩報道官は18日、「台湾が中華人民共和国の一つの省ではないとでもいうのか。台湾は中華人民共和国の不可分の一部だ」と記者会見で主張した。広辞苑の表記が正しいとし、岩波書店側を支持する構えを示した形だ。中国では岩波書店を支持する声が大半を占めており、修正を求める台湾との間で同社は難しい対応が迫られている。
同問題では、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)も、「岩波書店が台湾側の雑音に応えることはほぼあり得ないが、(修正に応じれば)中国側の激しい反発を引き起こすだろう」との見方を示している。
中国のソーシャルメディア上でも「どこに間違いがあるのか」「日本は(事実を)理解してきたが、台湾はまだ間違いが分かっていない」など岩波書店を応援する声であふれる。
中国と台湾の間に立たされた格好となっているのが岩波書店だ。同社の平木靖成・辞典編集部副部長は18日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見し、台湾側が記述の修正を求めていることについて「必要があれば対応していきたいと社内で検討している」と述べた。ただ、現時点で実際に修正するかどうかについては明言しなかった。
来年1月に広辞苑の最新版「第7版」が刊行される予定だが、そこでの表記修正については「既に印刷が終わっている」と対応が難しいとの見方を示した。
一方、菅義偉官房長官は同日の記者会見で、同問題について「民間のことであり、コメントは控えたい」と発言。日本政府は台湾について1972年に調印した日中共同声明で中国の立場を「十分理解し、尊重」するとしており、菅氏は「政府の立場は日中共同声明の通りだ」と強調した。
台北駐日経済文化代表処(在日大使館に相当)は「中華民国台湾は独立主権国家であり、断じて中華人民共和国の一部ではない」と主張。岩波書店側に表記の修正を求めている。
◆広辞苑の台湾に関する記述
広辞苑「第6版」の中華人民共和国に関する項目で示された地図の中で「台湾省」として記載。また、1972年に調印した日中共同声明では、日本は中国側の立場を「十分理解し、尊重」と表現するにとどめているにもかかわらず、同声明に関する項目では「日本は中華人民共和国を唯一の正統政府と認め、台湾がこれに帰属することを実質的に認め」などと書かれている。