今日の中国17 秦の始皇帝の布告見つかる。「不老不死の薬を探せ」

中国史は好奇心旺盛な人間にとって大変楽しい歴史です。

日本とは何事もスケールが違います。

 

その中国最初の皇帝・始皇帝が不老不死の薬を探していたことは有名です。

今回、当時の記録書である木簡(細長い木を組んで作った記録板)に、その命令内容を記した部分が含まれていました。

考古学的に実証されたのです。

 

水銀を不老不死の薬として服用して苦しんだとか焚書坑儒の命令書などの記述が見つかればさらに興味がわきます。

「焚書坑儒」は中国史のスタンダード

www.afpbb.com

「不老不死の薬探せ!」 始皇帝の命令、木簡から確認

2017年12月26日 10:27 発信地:北京/中国

中国陝西省の秦始皇帝陵兵馬俑博物館に展示された兵士らの像(2016年10月21日撮影、資料写真)。

【12月26日 AFP】中国で2002年に見つかった大量の木簡の中に、秦の始皇帝(Qin Shihuang)が国内各地で不死の薬を探すよう命じた布告や、それに対する地方政府からの返答が含まれていることが、最新の調査で明らかになった。

 中国国営の新華社(Xinhua)通信が24日に伝えたところによると、3万6000枚に上る木簡は湖南省(Hunan)の井戸の底から発見されていた。同省の考古学者らが調べたところ、「不老不死の薬」を探せとの始皇帝の命令が記されていたものがあった。布告は辺境の地域や僻(へき)村にも通達されていたという。

 また、この指示に当惑した様子がうかがえる地方政府からの返信が書かれたものも確認された。例えばある村は、そのような妙薬はまだ見つかっていないが引き続き調査していると報告。別の村は、地元の霊山で採取した薬草が不老不死に効くかもしれないと返している。

 中国最初の皇帝である始皇帝が永遠の命に執着していたことはよく知られた話だ。陝西(Shaanxi)省にある始皇帝陵の巨大な地下廟からは実物大の兵士や戦車などの陶像8000体近くが出土しており、死後の世界で始皇帝に仕えるために始皇帝が作らせたとみられている。

 もっとも、不死を求めた始皇帝の願いはかなわず、始皇帝は即位から11年後の紀元前210年に死去している。

 焚書坑儒で思想弾圧を行ったとして悪名高い始皇帝だが、2000年以上に及ぶ中国統一王朝の礎を築いた人物でもある。(c)AFP

「焚書坑儒」とは、始皇帝が行った言論弾圧と批判者の虐殺です。

f:id:ha-kurehanosatosi:20171228225413j:plain

中国の正史『史記』に記されています。

焚書(ふんしょ)では、実用書(医学・占い・農業など)以外の書物の所有を禁止して、書経・詩経・諸子百家の書物を焼きはらいました。

坑儒(こうじゅ)においては、始皇帝に批判的な学者(儒者)460人余りを生き埋めにしたのです。

中国ではよくあることなので、『史記』の作者司馬遷もそれをことさらに糾弾していません。(司馬遷は儒者なので批判はしていますが)

秦の時代から変化のない国、中国

さて現代の中国です。

習近平が主席になり、現代版「焚書坑儒」がさらに激しくなってきました。

「1万3000余りのウェブサイトが摘発され、1千万近くの会員制交流サイト(SNS)のアカウントが閉鎖された」

と国営放送の新華社が報道しています。

誰はばかることなく発表する強心臓に、言葉もありません。

始皇帝の時代から2000年以上が過ぎても、あの国は変わらないようです。

https://mainichi.jp/articles/20171226/dde/007/030/040000c

中国 ネット監視が拡大 3年で1万3000サイト摘発
毎日新聞2017年12月26日 東京夕刊

 【北京・共同】中国で2015年以降、テロ情報を流したなどとして1万3000余りのウェブサイトが摘発され、1千万近くの会員制交流サイト(SNS)のアカウントが閉鎖されたと国営通信の新華社が25日までに伝えた。習近平指導部はインターネット空間を「清浄化」するとして、個人のアカウントを監視するなど取り締まりの対象を拡大している。

 全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会が、ネット管理を強化する「インターネット安全法」が今年6月に施行されたのを受け、ネットの取り締まり状況に関する報告をまとめた。