正直言って、安倍首相には出席してほしくなかった。
しかし、日本人選手団や応援団だけ行かせて、朝鮮半島にほったらかしにはできないのも事実です。
彼らだけ危険な場所に送り、自らは行かないスタンスでは、国民からの支持を失ってしまう。
しかもオリンピックが国威発揚の場所であることを、日本人の多くは否定したがっています。
だからこそ、平昌五輪への首相出席「賛成」が55%にもなる。
平昌五輪開会式への首相出席、「賛成」55%
本社世論調査政治 朝鮮半島
2018/1/28 22:00日本経済新聞 電子版
日本経済新聞社の世論調査で、安倍晋三首相が2月9日の平昌冬季五輪の開会式に出席することの賛否を聞いたところ「出席すべきだ」が55%と「出席すべきでない」の33%を上回った。旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡る対立などで日韓関係が冷え込むなか、政府・自民党には出席への慎重論もあったが、首相の訪韓の決断に過半数が賛意を示した。
北朝鮮に対し国際社会がどのような対応を取るべきか3択で聞いたところ「経済制裁を強めるべきだ」が52%で最多。「話し合いで解決すべきだ」は29%、「軍事行動を考えるべきだ」は11%にとどまった。
「平和の祭典だからムキにならなくてもいい」といった受けとめ方なのです。
しかし、そんな無邪気なことを思っているのは多分日本だけです。
元々近年の派手なオリンピックは、1936年ナチス・ドイツが国威発揚のために行ったのが始まりです。
『炎のランナー』の頃は、地味なオリンピック(1924)だった
映画『炎のランナー』は、1924年のパリオリンピックが舞台です。
ヴァンゲリス作曲のあの有名なBGMは、誰もが知っています。
炎のランナー テーマ曲 (ヴァンゲリス) Chariots of Fire - Vangelis
ニコ動に荻昌弘の解説がありました。これだけで作品の全体像がわかります。上げてくれた人に感謝です。懐かしいなー。
1924年頃にはもちろんTV中継(TVはナチス・ドイツのベルリンオリンピックから)はなく、ラジオだけでした。
そのため地味であり、今のような商業的派手さと国威発揚はほとんどありません。
派手にふるまっても、それほど目立つことはないのだから当然でしょう。
映画の中でも、選手個人が自らの競技での記録を伸ばすことを目的としていた様子が描かれます。
しかも、当時の選手のほとんどが白人でした。
ナチス・ドイツが始めた過剰演出なオリンピックはやめて、『炎のランナー』当時の地味なオリンピックに戻せば、選手たちも楽しんで競技できるのではないでしょうか。
行くべきではないのに、仕方なく首相が出席する必要もないのです。