ロシア反ドーピング研究所のロトチェンコフ元所長が米国に亡命しました。
組織的ドーピングを国内で告発しようとしたところ、研究所の幹部2人が「突然死」し、あわてて亡命したようです。
ロシアでは「突然死」することは「殺害された」と同義であり、よくある話なのです。
告発の内容は、FSB(ロシア連邦保安局)から組織的ドーピングへの関与と事実のもみ消しがあったことを暴露したものでした。
FSB(ロシア連邦保安局)が関与しているならば、プーチン大統領が指示していることは間違いありません。
アメリカに亡命でき、命があるだけでも運が良かったと言えるでしょう。
プーチン大統領関与を示唆
共同2018年1月30日08時07分
【ベルリン共同】ロシアのドーピング問題について組織的不正を告発したロトチェンコフ氏は、ロシア連邦保安局(FSB)の加担があったことから「そのような特別な任務を指示できるのは大統領だけだ」と述べ、プーチン大統領の関与を示唆した。ドイツメディアによると、29日放送のドイツ公共放送ARDのインタビューに答えた。
2014年ソチ冬季五輪のドーピング検査所の所長を務めていたロトチェンコフ氏は、プーチン大統領について「全てを知りたがっていた」と証言。同氏の報告は当時のスポーツ相らを通じて伝わっていたといい、大統領が隠蔽を把握していたことは「否定できない」と述べた。(共同)
「ドーピング告発者は愚か者」とプーチン大統領
反ドーピング研究所の幹部2人を殺しておいて、憐憫の素振りはまったくありません。
それどころか、亡命したロトチェンコフを「愚か者」扱いです。
恐ろしいやら、うらやましいやらです。
黒幕疑惑のプーチン氏、ドーピング告発者は「愚か者」と一蹴
2018年1月31日 10:27 発信地:モスクワ/ロシア
【1月31日 AFP】ロシアの国家ぐるみのドーピングについて、告発者のグリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)氏から指示を出した大本だと指摘された同国のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が、ロドチェンコフ氏は信じるに足らない「愚か者」だと主張を一蹴した。
プーチン大統領はモスクワで開いた陣営の会合で、ロドチェンコフ氏の亡命先である米国を暗に指しながら「彼らはロドチェンコフという愚か者をつかまえたが、あの男を司法の場に連れ出すのは明らかに問題だ。自殺を試みた過去や、これまでの言動を考えれば問題がある。すべてはあの男の証言に基づいているが、そもそも信用できるのか?」と話した。
その一方で、プーチン大統領は薬物使用が「数例」あったことは認めたが、ロドチェンコフ氏の先日の発言に具体的に言及することはなかった。
ロドチェンコフ氏はドイツ公共放送ARDの29日の番組で、プーチン大統領本人が前スポーツ相のビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相と連絡を取り合いながら指示を下していたと明かし、「当然のことながら、命令はトップである大統領からきたものだ。なぜなら、そうした特殊任務にロシア連邦保安局(FSB)を配置できるのは大統領だけだからだ」と話していた。
ロドチェンコフ氏はロシア反ドーピング研究所の元所長で、研究所の幹部2人が突然死した後、米国へ脱出。ロシア国内では今も指名手配されている。
ロシア政府はプーチン大統領に先立って、ロドチェンコフ氏の発言はいわれのない「中傷」だと話していた。(c)AFP/Maria ANTONOVA