今日の中国40 イタリア産トマト缶は、中国産か?

 最近、スーパーにイタリア産と書かれた缶詰が増えています。

しかも、やたらと安い。大体100円以下。

「これ本当にイタリア産か?」と疑問視していました。

やはり、そうではないようです。

イタリア産に偽装された中国産でした。

 

EU圏内では「再輸出加工手続き」と呼ばれる方法があります。

この方法で再輸出された商品には関税がかかりません。

 

イタリアに「輸入」された中国産の“ドラム缶入りの三倍濃縮トマト”は、水で希釈され塩分を加えることで再輸出されます。

この時に「イタリア産」に偽装されるわけです。

ヨーロッパでは原産地の表示を義務付ける法律が存在しないことを利用した、悪質な方法です。(よくこんなことを考えると、「感心」します。)

 

しかも、この方法で再輸出された缶詰の「大半は、ヨーロッパ内では流通されず、再加工されてまた輸出されていきます。行き先は世界中あちこち」らしい。

ヨーローッパ内では消費しないから、中国産をイタリア産に偽装しても知らないフリをしているようです(ヨーローッパ人はどの缶詰が中国産なのか知っているのでしょう)。

中国も悪質ですが、ヨーローッパも大差ありません。

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03.03(土)

フード
トマト缶の闇 なぜ中国産トマトが「メイド・イン・イタリー」に?

中国産食品の安全性が問題視されるようになって久しいが、もし中国産の食品が「メイド・イン・イタリー」と表記されているとしたら? トマト缶の生産と流通の裏側を初めて明らかにしたノンフィクション『トマト缶の黒い真実』(ジャン=バティスト・マレ・著 田中裕子・訳/太田出版)では、トマト缶に関する衝撃の実態をリポートしている。なぜ中国産食品が“合法的に”メイド・イン・イタリーになってしまうのか。同書によれば、こんなカラクリがあるという。

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「南イタリアに到着した中国産濃縮トマトの一部は、ナポリ近郊の工場で缶詰にされて、ヨーロッパの市場に供給されます」と、税関職員のグラナートが言う。

 

「でも大半は、ヨーロッパ内では流通されず、再加工されてまた輸出されていきます。行き先は世界中あちこちです。ヨーロッパに入ってきて再加工後に再び輸出される濃縮トマトには、“再輸出加工手続き”という関税法が適用されます」

 

欧州連合(EU)では、商品の輸入に関して複数の関税制度が存在する。もっとも標準的な関税はEU圏内で消費される商品に適用され、圏外から圏内に入る国境を通過する際に課せられる。ちなみに、トマト加工品の税率は14.4パーセントだ。その一方で、関税を支払うことなく商品をEU圏内に輸入できる方法がある。それが、「一時輸入」や「一時通過」とも呼ばれる「再輸出加工手続き」だ。EUによると、この特別制度は、輸入した商品を加工・修繕してから再輸出する事業者の経済活動を促進するために設けられているという。

 

簡単な例をあげよう。たとえば、EU圏内のある香水メーカーがアジアから原材料を輸入し、それを使って香水を作り、その香水をEU圏外へ輸出する。その場合、この原材料にかかる関税は「再輸出加工手続き」によって免除される。そう考えると、確かにこの制度は、その香水メーカーの競争力を高めるのに役立つだろう。だがその一方で、同じ原材料を生産するヨーロッパの会社には大いに不利になる。こうした会社のライバルであるアジアの会社は、関税というバリアを飛び越えて、いつでもヨーロッパ市場に乗りこんでこられるからだ。

 

こうした関税制度は「比較優位論」を実用化したものだ。イギリスの経済学者、デヴィッド・リカードが提唱した経済理論で、商品を自由に流通させる「自由貿易」の有益性を説明している。自由貿易のもとで、各国が生産性の高い商品の生産に特化すれば、互いに高品質の商品と高い利益を得ることができ、結果的にそれぞれの国の社会が豊かになるというのだ。

 

これはつまり、「誰もが自由貿易の恩恵を受けられる」という、グローバリゼーションの肯定的見解にもつながっている。ところが実際は、少なくとも加工トマト産業においては、誰もが同じように恩恵を受けているとは言えない。

 

この「再輸出加工手続き」制度を利用することで、ドラム缶入り三倍濃縮トマトも、関税を支払うことなくEU圏内に輸入することができる。だが、これらの商品が税関で「一時通過」と認められるには、いったんEU圏内に入ってから必ず加工されて再輸出されなければならない。大量の中国産濃縮トマトは、そうやって南イタリアのナポリ港とサレルノ港からEU圏内に入ってくるのだ。

 

ふたつのいずれかの港に到着した濃縮トマトは、そこから車で一時間もかからない加工工場に輸送され、水分を加えられ、再パッケージングされる。つまり、巨大なドラム缶から、イタリア国旗の緑・白・赤の「トリコローレ」に彩られた缶詰に詰め替えられる。こうして加工された缶詰は再び港へ運ばれて、EU圏外へ輸出されていくのだ。

 

イタリア税関の公式な貿易統計によると、2015年、9万トンの外国産三倍濃縮トマトが「再輸出加工手続き」によって輸入された。南イタリアで加工された後、主にアフリカと中近東に再輸出されている。同じ年、標準的な関税制度で輸入されて再輸出された濃縮トマトは、10万7000トンだった。これらはイタリアに輸入されてから、フランスやドイツなどほかのEU諸国に輸出されている。

 

関税を支払うことなく、「再輸出加工手続き」によって輸入された中国産三倍濃縮トマトは、水で希釈されてわずかな塩を加えられただけで、「メイド・イン・イタリー」の商品に生まれ変わる。こうして付加価値がつけられて高い値段で売られていくのだ。ラベルには濃縮トマトの原産地は記載されない。それどころか、ほとんどの商品にイタリア産と書かれている。缶の上に印刷されるのは「中国」ではなく「イタリア」という文字だ。ヨーロッパには原材料の原産地の表示を義務付ける法律が存在しないからだ。

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このような習慣的に行われている「産地偽装」のほか、大量の添加物が使用されるトマト加工工場、腐ったトマトが再出荷される「ブラック・インク」の実態、奴隷的に安価で働かされる労働者など、さまざまな問題をこれらの“現場”に潜入した著者が暴露する。フランスでも話題沸騰のノンフィクション『トマト缶の黒い真実』は全国書店で発売。

偽ブランド品の9割以上が中国産 

偽ブランド品の92.2%は中国であり、8年連続で9割を超えています。

偽造することにまったく抵抗がない国民性なのでしょう。

news.tbs.co.jp

2日 14時30分

偽ブランド品3万件超、中国が9割占める
 偽ブランド品などの知的財産権を侵害する物品が3年ぶりに3万件を超えました。過去2番目に高い水準です。

 

 「カバンや財布、イヤホンなど、これらはすべて、税関で差し止められた偽ブランド品です」(記者)

 

 財務省が発表した、去年1年間の全国の税関における、偽ブランド品など知的財産権を侵害する物品の差し止め状況によりますと、件数が前の年と比べ17.6%増え、3万627件と、3年ぶりに3万件を超え、過去2番目に高い水準となりました。

 

 カバンや財布などのバッグ類がおよそ4割、衣類が14%を占めています。また、イヤホンなど、デザインの権利を侵害する物品の数が、前の年と比べおよそ16倍の13万5135点と大幅に増加しました。物品の輸入元は中国が全体の92.2%を占め、8年連続で9割を超えていて、依然として高い水準が続いてます。

中国のインターネットショップ大手のアリババ集団の馬雲(ジャック・マー)会長は、

「中国で作られるコピー商品は本物に負けない品質だ。しかも本物より安い」

などと真剣に発言しています。

日本人自身が相手を見て賢く対応する他、方法はないのです。