北朝鮮は、相当困っているのです。
経済制裁が効果をあげていなければ、中国に泣きついたりしません。
核開発や弾道ミサイル実験は、石油なしには進められない。そして石油を供給するのは中国とロシアであり、国連決議による制裁は、この両国も賛成しているのです。
今回の金正恩の訪中によって、朝鮮半島は中国の属国であることを確認させられました。口では一人前の国家であると言い張っても、現実は大陸の王朝の許可なしには活動できないのです。南の韓国は無視されていました。
そのうえ、中国が金正恩を殺害し、金正男と首をすげかえることも検討していたことを彼自身はよく知っています。そうでなければ、金正男をVXガスで白昼堂々と殺害することはありえません。
それでも中国様に頼るしかない。他に味方はいないのです。
金正恩の、
「われわれは北南関係を和解と協力の関係に変えることを決意した」
その上で「(米韓が)われわれの努力に善意で応えて、平和と安定の雰囲気がつくられ、平和実現のために段階的で歩調を合わせた措置を取るなら、半島非核化問題は解決できる」
との発言は、端的に表現すれば「金とエネルギーをよこせ」です。
ゆすり・たかり体質だけは絶対に変わることのない、筋金入りの輩です。
中国が間に入ったために、経済制裁の効果がまたふりだしに戻りました。
金正恩氏訪中「非核化に尽力」=習主席と初会談-南北・対米関係改善に意欲
【北京、ソウル時事】中国国営新華社通信は28日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が中国を訪問したことを確認するとともに、習近平国家主席と初めて会談したと伝えた。両首脳は冷え込んでいた両国関係の改善で一致。金氏は「金日成主席と金正日総書記の遺訓により(朝鮮)半島の非核化実現に尽力することは、われわれの終始変わらない立場だ」と述べ、核問題解決に意欲を示した。
金委員長の外遊は2011年末に事実上の最高指導者になって以来初めて。新華社電によると、金氏は習主席の招請に応じ25~28日に中国を非公式訪問し、会談は26日、北京の人民大会堂で開催された。
会談で金氏は4月末に南北首脳会談、5月までに米朝首脳会談を行うことに言及し、「われわれは北南関係を和解と協力の関係に変えることを決意した」と強調。その上で「(米韓が)われわれの努力に善意で応えて、平和と安定の雰囲気がつくられ、平和実現のために段階的で歩調を合わせた措置を取るなら、半島非核化問題は解決できる」と述べ、核問題解決に向けて米韓双方の出方を見極める意向を示した。
また、「中国側と戦略的意思疎通を強化し、共に対話の勢いと半島の平和安定を維持したい」と語り、後ろ盾となる中国との関係強化を求めた。米朝関係については「米国と対話し、朝米首脳会談を行いたい」と言及した。
習氏は金氏の初訪中に「熱烈な歓迎」を表明した上で、「今回の訪中は時機が特別で、意義は重大だ。金委員長と朝鮮労働党が中朝関係を重視していることの表れで、高く評価する」と述べた。
北朝鮮問題について、「中国は建設的な役割を続け、半島情勢が緊張緩和に向かうよう各国と共に努力したい」と強調した。(2018/03/28-12:19)