金正恩は何の譲歩もしていません。もちろん核兵器を放棄するつもりなどまったく無い。
にもかかわらず、すっかり北朝鮮ペースに持ち込まれています。
4月1日から米韓合同軍事演習が行われています。
この演習は、軍事独裁国である北朝鮮や中国に対する威嚇のためなのですが、今回は腰砕けの様相です。
ミサイル基地を対地攻撃可能な、空母や戦略爆撃機が参加していないのです。これらのない米韓軍を恐れる必要がない。
肝心の韓国が「対話ムードをあまり刺激しないで」との姿勢なので仕方がありません。
米国も無理に軍隊を出す理由がなくなったのです。
さらに北朝鮮、金正恩を喜ばせているのが、国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長と韓国芸術団です。
金正恩は、彼らに「頻繁に訪朝」するよう求めています。
彼らが北朝鮮にいる間は、米国であっても、絶対に攻撃できないことを知った上での発言です。
「人間の盾」として利用されていることに気づいていないのでしょうか。
交戦中、軍事目標の内部または周囲に民間人(主として女性や乳幼児、病人、高齢者などの非戦闘員)がいることを相手側に知らせ、以って攻撃を思いとどまらせようとすること。
また、軍隊が作戦行動で人海戦術を取ろうとする場合において、非戦闘員を意図的に兵士の前に置いて強制的に前進させ、兵士の損失を防ごうとすることもこれに当てはまる。
それにもかかわらず相手が攻撃を強行し、非戦闘員に死傷者が出た場合、攻撃を受けた側はこれを「相手陣営による虐殺行為」としてプロパガンダの材料に利用でき、以って自陣営の士気高揚・相手陣営への厭戦機運醸成という効果を生むことも可能となる。
これは国際戦時法違反の行為なのですが、喜んで「人間の盾」になりに行く愚か者達にはどうでもいいことのようです。
とりわけ、バッハIOC会長には怒りすら覚えます。この男は、民間の一スポーツ団体にすぎないオリンピックを利用して多額の金銭を得ています。
今回は、ノーベル平和賞狙いだとか。
2018.3.31 21:42
バッハIOC会長を「友人」 金正恩氏、米朝首脳会談控え次々「保険」かける
【激動 朝鮮半島】【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は2020年の東京五輪などへの参加を表明し、国際オリンピック委員会(IOC)を味方に引き込む動きに出た。初の米朝首脳会談をめぐり、交渉の難航も予想される中、電撃的な対中接近に続いて「保険」を確保した形だ。
「凍り付いていた北南(南北)関係が(平昌)五輪を契機に劇的な解氷期を迎えられたのは、全面的にIOCの功労だ」。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は3月30日のバッハIOC会長との会談でこう述べた。
平昌五輪参加で「規定と慣例を超えて特例的な措置を取り、積極的に協力してくれた」ことにも「心からありがたく思う」と謝意を示した。女子サッカーの試合を共に観戦し、友好をアピール。バッハ氏に「友人として」頻繁に訪朝するようにも求めた。
トランプ米大統領は5月の首脳会談に応じたが、米国が求めるのは「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」だ。これに対し、金委員長は、中国の習近平国家主席との会談で、非核化をめぐって米韓が「段階的で歩調を合わせた措置」を取る必要性に言及。北朝鮮ペースで交渉を先延ばしする構えを見せている。
トランプ氏は、対北強硬派で国務長官や安全保障担当の大統領補佐官を固めようとし、軍事的選択肢も手放していない。金委員長はこれに対抗し、初訪中で中国を後ろ盾に据えた上、平昌五輪に続く五輪参加表明で、スポーツをまたも政治利用しようとしている。
2018.4.2 00:10
【激動・朝鮮半島】
韓国芸術団公演を金正恩氏が夫人と観覧 「頻繁にやる、秋にはソウルで」出演者と握手も【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮を訪れた韓国芸術団による公演が1日、平壌の東平壌大劇場で開かれ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が李雪主(リ・ソルジュ)夫人と観覧した。韓国文化体育観光省が明らかにした。平昌五輪に合わせ、2月に訪韓した金正恩氏の妹、金与正(ヨジョン)氏や金永南(ヨンナム)最高人民会議常任委員長らも出席した。
金正恩氏は公演中、拍手を送り、公演後には出演者ら一人一人と握手し、「文化芸術公演を頻繁にやらなければ。秋にはソウルでやろう」と語ったという。
1日に米韓合同軍事演習が始まる中、27日の南北首脳会談に向け、最大限、融和ムードを演出する狙いがあるとみられる。
金正恩氏は当初、3日に予定されている南北合同での公演を観覧するつもりだったが、スケジュールの都合で急遽、1日の出席となったという。この日、北朝鮮側の要請で開演時間が2度にわたって変更された。
公演は、女性グループ「少女時代」のソヒョンさんが司会を務め、歌手のチョー・ヨンピルさんや女性アイドルグループ「レッドベルベット」など11組が出演した。平壌では1日、韓国テコンドー演武団の公演も行われた。