聖なる川、ガンジス川から基準値の23倍のふん便性大腸菌が検出されました。
インドの地元紙すら、沐浴は危険として注意をうながしています。
10年くらい前NHKの特集では、あるインドの老人が、死ぬ前からガンジス川近辺に家族と滞在し、死ぬとその場で焼かれて聖なる川に流される様子をドキュメンタリーとして放映していました。
もちろん、日本の放送なので死体を焼く場面もはっきりと写ってはいなかったのですが、明らかに薪の量が少ないのです。
アニメ『火垂るの墓』に妹の節子が栄養失調のため(有害物質説もありますが)死亡し、兄の清太が火葬用の薪を集める場面があります。
ジブリはリアリティのディテールが細かいことが有名なアニメ会社なので、4歳の女の子ですら、かなりの量の薪が描かれていました。
人間の70%は水分なので、簡単には焼けないのです。
ところが、インドの火葬用の薪が体積から言っても、遺体の2倍程度しかない。
個人的にも「あれではほとんど焼けんだろう。生焼けやん」と感じていました。
やはりレア死体であったようで、そのまま川に流していました。
それでもお金がある人は生焼けでもマシな方で、行き倒れの人などはそのまま流されて、腐っていくようです。
産業が発展し、人口増加が著しいインドです。
人口が増えれば、川の浄化能力も落ちてゆくのは当然です。
ガンジス川の沐浴「危険」 汚染深刻と地元紙警鐘
南西ア・オセアニア
2018/5/1 21:00
ヒンズー教徒が「聖なる川」とあがめるインドのガンジス川で、巡礼者が沐浴(もくよく)するのは「危険」と地元紙が警鐘を鳴らしている。昨年の政府調査で、最大で基準値の23倍のふん便性大腸菌が検出された地域もあり、汚染が深刻だからだ。しかし聖地の信者たちの危機感は薄い。
中流に位置する聖地、北部バラナシでは川岸に沐浴場があり、多くの信者が水に入ったり口をゆすいだりしている。インドの多数派ヒンズー教徒はガンジス川の水に「罪を洗い流す効果がある」と信じている。
インド紙のヒンドゥスタン・タイムズは3月末、バラナシの調査地点では、100ミリリットル当たり500個という基準値に対し9~20倍の大腸菌が検出されたと報じた。「生活排水が処理されないまま流れ込んでいるのが原因。処理能力は約4分の1しかない」とする地元当局者の話を載せた。
流域人口が増え、排せつ物のほか工場廃液も増加、川岸で火葬された遺体や遺灰も流されている。
日本政府は円借款を通じ、バラナシで大型下水処理施設の建設や下水管の整備を支援。施設は今年中に稼働する見通しで、国際協力機構(JICA)の担当者は「川の浄化はインド政府にとっても大きな課題」と話す。
首都ニューデリーから訪れたラガブ・ジョディさん(42)は、上半身裸で沐浴をして「心が清められる。濁っていても、これは聖水だ」と恍惚(こうこつ)の表情。水質汚染を伝えるニュースを「ガンジス川のことを全く理解していない」と一蹴した。(バラナシ=共同)