あらすじ
ある日のこと。犯罪者の兄弟2人が刑事に追われて、非常階段に逃げ込む。発砲した刑事に兄は撃たれて瀕死の状態。ところが、その階段が下りても上っても同じ場所に着いてしまう。1階と9階がループしてしまったのだ。
兄は死亡し、弟と刑事だけの35年間が経過する。
また、ある日のある場所。母親と小さな子ども2人そして母親の恋人の4人が、離婚した実父の家に向かう。荒涼とした一本道を自動車で走る。途中のガソリンスタンドで娘が、義父からもらったジュースによってアレルギー症状になり瀕死の状態。あわてて、自宅に帰ろうとするが、どんなに走っても同じ場所に帰ってきてしまう。
娘は死亡し、後悔にさいなまれた家族3人の35年間が過ぎる。
よくある設定だが、ホラー色満載
ある時から突然同じ一日を繰り返す。
SF映画ではよくある設定です。
しかし、メキシコ制作の映画であることで、より不気味な雰囲気をかもしだしています。
これはSFでありホラーです。
『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』の悪夢版といってもいいでしょう。
『うる星やつら』では、ラムちゃんたちと楽しい仲間たちのお祭り騒ぎの毎日が続くのですが、こちらの映画は完全に「ナイトメア(悪夢)・ドリーマー」の話です。
最愛の人は亡くなり、嫌いな人間との共同生活を強いられる。
考えただけでも苦痛です。
一本道に閉じ込められた、ジジイとババアのカーセックスが酷い。
この描写だけでホラー色満載。
(娘を失ったショックで)母親はすっかりボケてしまい、ジジイになった恋人はただ生きてババアを抱くだけ。
そんな母親たちにうんざりした10代の息子は砂漠でひとり暮らし。
ラストには、人生が同じことの繰り返しになるとわかっていても、その道を選ぶしかない登場人物の行動に共感してしまい、観終わってから軽い鬱になるかもしれません。