今日の中国85 小林製薬、「神薬」を現地で製造販売するつもり

消炎鎮痛剤「アンメルツ」で有名な小林製薬が、中国で製造販売できるように現地のメーカーを買収しました。

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日本の医療品、とりわけ小林製薬の製品は「神薬」と呼ばれるほど人気があります。

中国のポータルサイトにあがった「12の神薬」の上位5位は小林製薬なのです。

  1. アンメルツヨコヨコ
  2. サカムケア
  3. 熱さまシート
  4. ニノキュア
  5. 命の母A

それほど優れた小林製薬が、世界中がファーウェイを締め出そうとしているこの時期にわざわざ中国へ行き工場を作るのは、資産と技術を捨てに行くようなものです。

 

日本企業もしっかりしてほしい。

製薬の技術はパクられて、工場も中国の物にされるのは目に見えています。

「アンメルツヒダリヨコ」なんて商品ができて、本家の商品を「パクリだ」と訴えかねません。

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「中国へ行ったらあかん」が祖母の遺言になった

終戦の1年前ほど前に、祖父母と家族が満洲に軍属として渡っていました。

1945年の日本敗戦を知っている現代人からすれば、わざわざ酷い目に遭うために行ったようなものですが、当時の庶民に予測できるはずがありません。

 

ソビエト連邦(現ロシア)との国境近くにいたために、祖父はすぐにシベリアの収容所に抑留されました。

ただし、技術者だった祖父は非常に厚遇されて衣食住に悩むことがほとんどなかったそうです(そのためすっかり共産主義国びいきになって帰国しました)。

 

しかし、祖母と家族は引揚船がある場所まで必死に逃避行したのです。

文字通り命がけでした。

そのために、祖母は孫の私にまで

「中国へ行ったらあかんよ。酷い目にあわされるから」

と生前何度も話していました。

 

現在の日中関係を見ると、やはり祖母の言葉が正しかったことを実感します。

www.nikkei.com

「神薬」中国で生産 小林製薬「アンメルツ」

訪日客爆買い、帰国後も… 現地製薬買収で足場

2019/2/1付日本経済新聞 地域経済

小林製薬は2020年に中国で医薬品の製造販売を始める。訪日客向けが収益のけん引役だが、中国人に人気の高い消炎鎮痛剤「アンメルツ」などは医薬品のため、外資規制で現地販売が難しいのが課題だった。18年に中国の医薬品メーカーを買収。現地で製造販売する体制を整え、帰国後消費も取り込む。

 

31日発表した18年12月期の訪日客向け売上高は推計107億円と、17年12月期から4割強も伸びた。訪日客需要が寄与し、連結売上高が7%増の1674億円、連結純利益が14%増の180億円となった。

 

同日の決算説明会で小林章浩社長は「訪日客需要の次を見据え海外展開にとくに注力していく」と話し、20年からアンメルツを中国で販売すると表明した。アンメルツのほかの販売品目は未定だが中国人訪日客に人気の高い医薬品を検討中だ。

 

小林製薬はカイロや冷却シート「熱さまシート」など医薬品以外の製品は既に現地で製造販売している。同社によると、アンメルツなど医薬品販売は外資への規制があり、日本の会社が現地でイチから製造販売する許可を行政当局から得るまでに10年程度もかかるという。

 

このため、18年6月に現地で軟こうなどを製造する医薬品メーカー「江蘇中丹製薬」を買収した。現地に足場を持つことで、行政当局からの許可を得るまでにかかる期間を短縮できる効果も見込んで買収したという。

 

小林製薬の18年12月期の中国での売上高はカイロや冷却シートなどの販売がけん引し、17年12月期比33%増の89億円に上った。新たに生産するアンメルツなどの医薬品もカイロなどと同じ販路を活用し、現地の卸を通じてドラッグストアなどの小売店で販売する。

 

効果がひと目で分かる商品パッケージなどで訴求する日本式のマーケティングを中国でも展開する。医薬品だけで10年後に中国で年間40億円の売り上げを目指す。

 

数年前中国のポータルサイトで広まった、日本に行ったら買うべき「12の神薬」のリストに同社の商品が5点も入った。世界的にみても類似の医薬品がないのが人気の秘訣となっている「神薬」のブームで「小林(シャオリン)」の社名が中国人に浸透。最近は売れる商品のすそ野が芳香剤や洗剤などの日用品にも拡大する。爆買いが終息したにもかかわらず、売り上げは伸び続けている。

 

ただ、同社の神薬5品のうち熱さまシートを除く4品は現地の製造販売だけではなく、輸出や越境EC(電子商取引)での販売も原則できない。現状では「中国に帰国後は、正規のルートで(熱さまシートを除く)当社製の神薬を買う手段はなかった」(同社)。

 

訪日客需要は「日本製」だから支持されている面があったが、「(最近は)メードインジャパンというよりも、小林製薬というブランドの認知が進んだ」(同社)という。こうした中国人の消費者心理の変化をつかみ、今後は現地での製造販売で帰国後のリピート需要を掘り起こす。

(斎藤毬子)