あらすじ
ジェイコブは金融会社のエリートサラリーマンだった。
しかし、友人夫婦との食事の後、交通事故を起こし同乗していた友人を事故死させてしまう。
飲酒していたこともあり、通常の交通事故とは違い禁錮7年間の重罪になる。
(米国も日本と同様、飲酒運転には厳しいようだが、死亡した友人とその妻もジェイコブが飲酒していたことは知っていたのに何故か彼のみ犯罪者扱い。しかも友人の妻から訴えられたことでさらに刑期が増える)
重犯罪者の刑務所に入れられた彼は、生き残るためリーダ格の囚人に協力することを選び、本当の犯罪者となってゆく。
米国の刑務所は怖い
気弱な黒人青年が複数の囚人に襲われて(バックを犯されて)、翌朝廃人のようになりベッドに横たわっている姿が恐ろしい。
主人公がギャングの仲間に入ってでも自らを守ろうとするのが理解できます。
この映画、まったくカタギだったエリートサラリーマンが刑務所に入ったことで悪党になってしまう話です。
米国の刑務所は日本と違って更生に重点をおいていません。
しかも重犯罪者は出所してもほとんど再犯を繰り返すので、更生教育の意味がないとされているのです。
市中引き回しの刑も必要かも
今の時期にこの映画、東京池袋の事故を思い出さずにいられません。
池袋での痛ましい交通事故です。
元通産省の飯塚幸三元院長(87)が運転する乗用車が赤信号を無視して暴走し、女児(3)と母親(31)を死亡させ、その後歩行者4人をはねて合計8人が重軽傷でした。
確かに若い母子2人を轢き殺してしまった罪は、どんなに高齢であっても償わなければいけません。
しかし、杖をついた87歳の老人が「手を引いて下さい」と、か細い声を出して警察署に引きずられていくように入っていゆく姿は衝撃でした。
「市中引き回しの刑」は現代でも健在だなと実感させられた映像です。
エリート官僚だった彼が、もう残りわずかの人生で殺人を犯し、日本国中に知らされる。家族や親族は生き地獄 でしょう。
もちろん、妻と幼い子どもを殺された被害者の夫はそれ以上の地獄ですが。
これから、高齢者の免許返納が増加することでしょう。
また、自動車を運転するものには、交通事故が他人事ではないと戒めるきっかけとなる事件です。
「市中引き回しの刑」もある意味必要なのかもしれません。