共産主義者の歴史9 『まるくすタン―学園の階級闘争』おおつやすたか著 カール・マルクスの人生を俯瞰できます

これはくだらん。

くだらん過ぎる百合エロ小説(マルクス主義者たちの美少女化)です。

けなしている訳ではありません。褒め言葉としての表現です。

結構な力作と言っても良いでしょう。

 

単なるエロ小説なのに、著者はマルクスの人生をよく勉強しています。

それ故に、マルクスの人となりがわかります。

これ一冊で、彼の人生を俯瞰できます。

マルクスの著作は難解なのではない、わかりにくいだけ

マルクスの著作を読んだ人は多いのですが、彼らの解説を読んでも、意味がわからないことが多い。

これは、読者の頭が悪いからではなく、解説を書いている本人もよくわかっていないからでしょう。

 

マルクスは詩人志望でした。そのために、彼の著作は表現が詩的です。

有り体に言うと、わかりにくい。

 

その表現のために、読む人によっていくらでも解釈が可能なのです。

科学とはいい難いでしょう。

マルクス教の信者にとっての宗教書としては優れているのかもしれません。

 

池上彰とか佐藤優などの著作からすると、マルクスは、すげーありがたい書物ばかりを書いていたように感じられます。

しかし、何がありがたいのか、この二人も結論できていません。

 

社会の矛盾、搾取、労働の価値、上部構造、下部構造等など難しい言葉のチョイスのためによりわかりにくくなっているのです。

 

マルクスの著作をあれこれと解釈するのは時間の無駄です。

そんなことをしていては、読んでいる間に人生が終わってしまう。

いや世界が終わってしまうかもしれません。

マルクスの生き方を知ることで充分

マルクスの人生を簡単に描いた本を読むのが、彼の思想を読む手助けになります。

まるくすタン―学園の階級闘争 (A‐KIBA Books Lab)おおつやすたか著がオススメです。

 

彼の性格と生き方は、見事なまでに後継者たちが引き継ぎました。

レーニン、スターリン、毛沢東、ポル・ポト・・・・・・。

Wikipedia「カール・マルクス」より
ミハイル・バクーニンは

「彼は臆病なほど神経質で、たいそう意地が悪く、自惚れ屋で喧嘩好きときており、ユダヤの父祖の神エホバの如く、非寛容で独裁的である。しかもその神に似て病的に執念深い。彼は嫉妬や憎しみを抱いた者に対してはどんな嘘や中傷も平気で用いる。自分の地位や影響力、権力を増大させるために役立つと思った時は、最も下劣な陰謀を巡らせることも厭わない。」と語る。

 

マルクスの伝記を書いたE・H・カーは

「彼は同等の地位の人々とうまくやっていけた試しがなかった。政治的な問題が討議される場合、彼の信条の狂信的性格のために、他の人々を同等の地位にある者として扱うことができなかった。彼の戦術はいつも相手を抑えつけることであった。というのも彼は他人を理解しなかったからである。彼と同じような地位と教育をもっていて政治に没頭していた人々の中では、エンゲルスのように彼の優位を認めて彼の権威に叩頭するような、ごく少数の者だけが彼の友人としてやっていくことができた」と評している。

 

私生活でも、メイドだったレンヒェン(本名:ヘレーネ・デムート)に手を付けて子供を産ませているのですが、当時としてはよくあることだったとしても、結局認知しませんでした。

ケチな男です。小説内でレンヒェンは、まるくすタンのダッチワイフとして描かれています。

 

ただし、絵がイマイチ。肝心のマルクスの美少女感が残念な出来です。

エンゲルスも。

文章表現ももっと文学的にして欲しかった。

 

京都アニメーションあたりにアニメーション化してもらったらいいのでは。

あの美しい映像と妥協のない制作スタッフなら劇的な作品になりそうです。

まあ無理か。