歴史

映画『ハクソーリッジ』ふたたび観る。米国の映画から当時の日本人の戦いを思う

www.amazon.co.jp アマゾンプライムにあったので再度観てしまいました。 amzn.to www.kurehanosatosi.com アマゾンのレビューをみてびっくり。 感動した系のコメントの多さに。 中には批判している人もいますが、ほとんどが主人公の信念と行動に感銘を受けて…

『防空壕』江戸川乱歩 空襲警報中の逢瀬は燃えるだろう

江戸川乱歩の短編に『防空壕』があります。 戦争中、空襲のさなかにある男女が防空壕で逢瀬を交わすストーリーです。 つまり、生死を間近に見ながらの性交。 この短編自体は皮肉なオチがついています。 江戸川乱歩のシニカルな性格によるものと思われます。 …

今日の中国17 秦の始皇帝の布告見つかる。「不老不死の薬を探せ」

中国史は好奇心旺盛な人間にとって大変楽しい歴史です。 日本とは何事もスケールが違います。 その中国最初の皇帝・始皇帝が不老不死の薬を探していたことは有名です。 今回、当時の記録書である木簡(細長い木を組んで作った記録板)に、その命令内容を記し…

映画『ハクソーリッジ』あれは日本軍の戦い方ではない、でもアメリカ映画の日本軍人としてはマシな描写

『アポカリプト』以来、久しぶりのメル・ギブソン監督映画です。 期待通りに、スプラッターな描写満載。 自動小銃に撃たれて血まみれになる兵士。手榴弾に両足を吹き飛ばされる兵士。 ミンチのような死体だらけ。 アメリカ軍も日本軍も内臓を飛び散らしてい…

今日も憂鬱な朝鮮半島4 8月15日の日経新聞春秋。平和ボケの酷さに「心がざわつ」く内容。

"北朝鮮からミサイルが飛んできた時の日本の様子"を描いたイラストが「風刺が効いている」と大反響! : ガールズ速報 がるそく! 2017/8/15付日経新聞の春秋を読み、「心がざわつい」てしまいました。 アメリカと北朝鮮のやり取りを、ここまで他人事のように…

NHKの『731部隊の真実 ~エリート医学者と人体実験~』への注釈をします

731部隊の集合写真 www6.nhk.or.jp 8月13日に報道された、NHK『731部隊の真実 ~エリート医学者と人体実験~』に対して、注釈をしたいと思います。 私は極右でもネトウヨでもない、普通に日本が好きな日本人です。それ故に、NHKの報道は日本人を馬鹿に…

映画『東京裁判』2 「東條英機とキーナンの対決が痛快」

映画『東京裁判』は、長いドキュメンタリー映画です。4時間36分もあります。 しかし、何度も観ると、被告と検事、弁護人達の微妙な表情の変化に気づきます。 とりわけ、東條英機とキーナン検事とのやり取りは痛快です。 勝者が敗者を裁く茶番劇のような法廷…

今日も憂鬱な朝鮮半島2 朝鮮戦争は、日本の敗北から始まった

1950年(昭和25年)6月に始まった朝鮮戦争は、日本(大日本帝国)の敗北から始まりました。東方に影響力を伸ばしてきた共産主義勢力が、日本の軍事力喪失により、朝鮮半島に結集したのです。 戦争は大手術に似ている 戦争は大手術に似ています。手術しなけれ…

宗教がもたらす壮絶な人生。上杉謙信と武田信玄の一騎打ちはあった?

上杉謙信と宗教心 前回の清水富美加さんのことでも書いたことですが、 宗教的規範は社会の規範を簡単に乗り越えてしまいます。 (清水富美加のこと。宗教団体に従順な人の典型 ) 戦国武将の上杉謙信も宗教的規範に忠実に生きようとした人物でした。 熱心な…

『帰ってきたヒトラー』ティムール・ヴェルメシュ著。映画より原作の方が恐ろしい

本当のヒトラーなら犬に噛まれても撃ち殺したりしない、と思う 映画『帰ってきたヒトラー』には違和感があります。 ヒトラーの犬好きは有名です。 犬が好きな人は、噛まれても怒ったりしません。 ちなみに、私と嫁は猫好きです。時には、血が出るほど噛まれ…

映画『トラ・トラ・トラ!』真珠湾攻撃は成功だったのか?

映画『トラ・トラ・トラ!』1970年日米合同制作 トラ・トラ・トラ! 製作四十五周年記念●アルティメット・ブルーレイBOX&日本オリジナル・デザイン・スチールブック 2015年3月4日発売! 古い映画である。観たこともない人も多いだろう。 1941年(昭和16年)…

映画『ベルリン陥落1945』、原題の『Anonyma - Eine Frau in Berlin(匿名 ベルリンのある女)』が正しい内容。

敗戦国は悲しい 映画『ベルリン陥落1945』は、日本語の題名が内容の核心を伝えていない。 原題は『Anonyma - Eine Frau in Berlin(匿名 ベルリンのある女)』である。 映画自体は地味ではあるが、敗戦することの意味を深く教えられる良作である。 (ニコニ…

『プロメテウス』やはり創造主は白人なのか。『マルコムX』イエスの肌の色は?

映画『プロメテウス』あらすじ www.youtube.com 映画『プロメテウス』では地球人は宇宙人に創造されたとの設定だった。 ノオミ・ラパス演じるエリザベス・ショウ博士はその実証のために、未知の惑星を訪れる。 惑星には、宇宙人(エンジニアと呼ばれる人)の…

映画『おろしや国酔夢譚』大黒屋光太夫と「ふるさとは遠きにありて思ふもの」室生犀星

室生犀星の有名な詩「ふるさとは遠きにありて思ふもの」 人には、定住型と移動型があるようだ。 私は典型的な移動型なので、故郷に対しての望郷の念がほとんど無い。 懐かしいなと思い出しても、それだけのことで、 帰りたいとの強烈な念は起きることがない…

アラブ世界とヨーロッパ世界、かつて医学の差は大きかった。映画『キングダム・オブ・ヘブン』

アラブ世界とヨーロッパ世界の医学 今でこそ、中東のイスラム圏では、ISのような野蛮な連中が横行しているが、 ヨーロッパが中世(5世紀~15世紀)の頃、中東イスラム圏は、世界最高の文明国だった。 科学はもちろんのこと、医学の進歩は比べ物にならない程…

マヤ文明時代のスプラッタ。映画『アポカリプト』R-15指定。

いい意味で期待を裏切る映画 期待せずに何となく観た映画に驚かされることがある。 その面白さに引き込まれて、最後まで観てしまう。 その典型的な映画『アポカリプト』。 この映画は、ある意味ホラー映画である。 暴力シーンのため、R-15指定されている。 …

映画『スナッチ』人種差別をコミカルに描けるのは、歴史が長いからか。羨ましい

差別用語が使えない世の中だ。 別に使いたいわけではない。しかし、過去の文学や映画などでは、 その時点では差別用語になっていないものが多い。 三島由紀夫の小説が好きなのだが、この人の作品などは、黒く塗らなくてはいけなくなる。 『真夏の死』では、 …

映画『レニングラード』死ぬまでに、一度は行ってみたい都市(現サンクトペテルブルク)

上記の地図の赤点がレニングラード(現サンクトペテルブルク)である。 ピョートル大帝(1672年6月9日-1725年2月8日)が無理矢理に作り上げ、首都としたことで有名だ。 元々は、寒冷な湿地帯で、何もなかった場所である。(スウェーデンと同緯度なのでその寒…

ロシアは対アメリカのサイバー戦争を始めた。プーチンさん、恐るべし。

ロシアのハッカー集団(ファンシーベアなど)が、アメリカをサイバー攻撃している。 攻撃対象は、 世界反ドーピング機関(WADA) yahoo、Gmail、Hotmailから合計2億7200万件のメールアドレスとパスワード そして、ついにアメリカ大統領選挙関係の組織にまで…

『太陽に灼かれて3』『遙かなる勝利へ』3部作完結。悪人ほど歴史に学ぶ。

『太陽に灼かれて』第3部『遙かなる勝利へ』。 『太陽に灼かれて』も完結である。 映画『遥かなる勝利へ』予告編 映画はやはり、悲劇に終わる。 ナージャは父親コトフと再会を果たすが、父親は娘の代わりに地雷を踏む。 ヒトラーと戦った独ソ戦は、大祖国戦…

映画『イワン雷帝』歴史を知っていても退屈な名作。

名作と言われる映画は、結構退屈なものが多い。 その典型。『イワン雷帝』1部2部。 監督は有名過ぎる、エイゼンシュテインである。 役者は適役で、顔の怖さでは肖像画に負けていない。 退屈なのは、私が悪いのだろう。ハリウッド映画のスピードに慣れすぎた…

『イヴァン雷帝』アンリ・トロワイヤ著。ロシアは独裁者が好きなのだ。

イヴァン雷帝の肖像画。 見るからに、サディステックな顔立ちをしている。 『イヴァン雷帝』アンリ・トロワイヤ著、では物語として、さらに誇張された残虐性が描かれている。 ロシア人の正式な歴史が始まったのは結構新しい。16世紀中頃からである。イヴァ…

広島への原爆投下とロバート・オッペンハイマーのこと。

ホラー映画は好きだが、現実に異常な出来事をしたいわけではない。 それに、現実の世界はホラー映画より何倍も、horror(恐怖)である。 YouTubeで、あるhorrorな動画を見た。原爆開発のプロジェクトリーダーだった、ロバート・オッペンハイマーの恐ろしく陰…

映画『東京裁判』1 極東国際軍事裁判(東京裁判)が無効であること

映画『東京裁判』は長いドキュメンタリー映画だ。日本が世界を相手にした戦争の戦前、戦中、戦後の歴史がある程度頭に入っていないと多分寝てしまうだろう。私も5回観たが、初めの2回は寝てしまった。 戦争については、71年も前の日本の加害についてやたらと…

映画『ズールー戦争』白人(英国人)から見たアフリカ人。

昔、TV(吹き替え)で観た映画。是非、DVDで観て欲しい。(名作なのでレンタルもあります) 文明人と未開人との戦争として描く。 ズールー族は近代的な戦法を編み出していたため、善戦する(英国史に残るくらい)。 子供の時に観たので、南アフリカの歴史的…

『猫舌男爵』「太陽馬」皆川博子著とスターリングラード戦の恐ろしさ。

皆川博子の短編集である。この人は『聖餐城』読んで以来のファンである。 日本人で中世ドイツのことをこれ程生々しく描ける人は他にいまい。 表題作の「猫舌男爵」には猫も猫男爵も登場しない。今の猫ブームよりはるか以前から猫好きの私も期待していたのだ…