『ぼっけえ、きょうてえ』は衝撃的だった。
作者は、岩井志麻子。
小説家というよりは、TVタレントのイメージが強い。
しかも、かなりの色情派。←こんな言葉があるかどうか知らないが。
漫画家、西原理恵子の友人である。
西原が岩井を描いている。
妖怪だ。あまりに似すぎていて笑えない。
本人の写真(ホリプロのイメージ写真)がこれだ。
本人も妖怪だった。
小説『ぼっけえ、きょうてえ』は、第6回日本ホラー小説大賞を受賞している。
Wikipediaより
岡山の遊郭で客をとる女郎が、客に自らの身の上話を聞かせるが、それは世にも恐ろしい話であった。岡山の方言を駆使し恐怖感を高めることに成功している。題は、岡山弁で「とても怖い」を意味する言葉。
なるほど、ぼっけえ=とても。きょうてえ=怖い、なのか。
岡山が舞台でも瀬戸内海側ではなく、山奥の美作(みまさか)地方の話である。
私も旅行で行ったことがあるが、やや陰鬱な雰囲気の漂う、ホラー好きにはたまらない場所だ。
これ一作で、岩井志麻子ファンになった。
が、残念なことに、これ以上の作品を岩井は書いていない。
初舞台のオリンピックで金メダルを獲った、岩崎恭子みたいだ。
死ぬまでに、『ぼっけえ、きょうてえ』を超えるか、せめて並ぶ作品を読んでみたい。
補足ながら、岩井志麻子は、もともと少女小説家で、
驚くことに『花より男子』のノベライズをしているのだ。
映画『インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~』は三池崇史監督作品。
「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズの作品の一つで、アメリカのケーブルテレビ用に作られた。
過激すぎる内容で、アメリカではTV放送が禁止されたとか。
(もちろん日本でも、TV放送は不可である)
三池崇史監督、やり過ぎである。調子にのり過ぎたのだ。
拷問シーンを、喜々として撮っている三池監督の姿が目に浮かぶ。
歯茎を針で刺すのは勘弁して欲しい。
岩井志麻子が、爪や歯茎に針を刺す拷問女郎を演じている。
主演の女郎を演じているのは工藤夕貴。久しぶりに見た。
奇形である設定なので、こんな顔。
個人的には、文庫版『ぼっけえ、きょうてえ』に収録されていた「密告函」が好きだ。
妖怪ものではなく、現実にいる女がどれほど恐ろしいか、淡々と描いている。
題名は「みっこくかん」じゃねえよ、「みっこくばこ」です。
興味ある方は読んでみて下さい。