『ドッグヴィル』は情けなくなるほど酷い
2本とも同じ監督の映画である。この監督は本当に頭がオカシイのだろう。
とりわけ『ドッグ・ヴィル』は情けなくなるくらい酷い。観たことを後悔する。タイムマシンがあればこれを観る前に戻りたい。
この格好良いニコール・キッドマンのDVDジャケットに騙された。
サスペンスかと勘違いしたのだ。
今までにスプラッタ映画をたくさん見てきたが、それで気分が悪くなったことはない。
ニコール・キッドマンが主人公。
トム・クルーズの元嫁だ。綺麗な顔立ちで、役者としてもいい演技をするので好きな女優さんのひとりだ。
それ故に、期待感から最後まで観てしまい、さらに酷さが際立つ。
例えるなら、美人でスタイルのいい女優さんがオープニングに登場し、何をするのかと期待をしていたら、食事をしては、排泄を繰り返すのを見せられたようなものだ。
その系の趣味があればいいが、そうでないものには不快でしか無い。しかも美しい女優が出ているので何らかの新しい展開を期待し、我慢して観ていても、ラストまでその繰り返しだった。
ドッグヴィルと呼ばれた村にある女性(ニコール・キッドマン)が逃げ込んで来る。
理由があって何者かに追われているよう。村にいさせて欲しいと頼む女性。
村人達は話し合いの結果、働くことで村にいることを承諾する。
最初はうまくいっていた関係が、だんだんとおかしくなっていく。
村人のひとりにレイプされたことをきっかけに、女達には嫌がらせをされ、他の男達にもレイプされるようになる。
逃げることにも失敗し、大きな首枷をはめられる。
そこへ、彼女を追っていたギャングが村に来る。
なんと、彼女はギャングのボスの娘だった。犯罪者である父親を嫌って逃げていたのだ。
彼女の報復が始まり、皆が撃ち殺される。女子供も容赦なく。村は焼き払われる。
簡単に説明すると以上のようなストーリーなのだ。
水戸黄門か!
力のある者が、ボロをまとい哀れな様子で根性の悪い人々を挑発する。散々悪事をしたのを見計らって、正体を明かし、ネチネチと説教して楽しむ。
いや、この主人公、水戸黄門より酷い。
女子供まで容赦なく殺し村ごと焼き払うのだから。そこまで酷いことはあんたにしていないだろう。
それにあんたが正体を早く明かしていれば彼らはやめたはずだ。
よく分からないが不愉快な感情が一週間は残った。
たぶん「俺も村人のひとりだったら、同じことをしていた」かもと思うからだろう。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』マシなだけ
『ドッグヴィル』より少しマシ。