今日のプーチンさん18 シリアがあの場所にある限り、内戦は続く

シリアは地政学的に争い事を呼び込む場所です。

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北にトルコ、間にクルド人、東にイラク、その東にイラン、南にイスラエルと周囲に問題国ばかりを抱えています(シリア自体も問題国)。

昨年2017年10月、IS(イスラム国)は事実上崩壊しましたが内戦は終わりません。

国内では反政府勢力がアサド政権と武装闘争を続けています。

内戦による死者は30万人以上。近隣国に避難した難民はわかっているだけでも460万人を越えています。

 

現大統領のバッシャール・アサドの父ハーフィズ・アサドはイスラエルと4度も戦ったシリアの英雄です。4回とも負けたのですが、アラブ世界では戦争に負けることよりも戦い抜いた方が評価されるようです。

 

政権は世襲され次男のバッシャール・アサドが現大統領となりました。この人は眼科医になるためにイギリスに留学していた過去があります。いわゆる西洋的な教育を受けていたのです。

ところが兄が交通事故死したため、急遽呼び戻されて後継者となりました。

父親は完全な独裁者でした。そして西洋の教育を受けた現アサド大統領もやはり父親と同様に独裁者になったのです。

親子共に優秀な大統領であり、国民の支持率も高い独裁者なのですが、優秀である故に、指導者として存在するとさらに内戦が悪化します。

 

また、内戦がいくらでも繰り返される要因のひとつにアメリカとロシアの代理戦争があります。

アメリカは反政府勢力を支持、ロシアはアサド政権を支援しているのです。

また、最近では「一帯一路」を推進する中国も(アサド政権側として)関与しています。

 

アメリカのボーテル中央軍司令官は、ロシア(プーチン大統領)を「緊張を高めて自らに好ましい形で解決を図るという、放火犯と消防士の両方の役割を果たしている」と非難しているとか。

「アラブの春」という名の反体制暴動を扇動したのはアメリカなのに、すっかり忘れているようです。

www.sankei.com

プーチン政権は「放火犯と消防士」 米司令官がシリア限定的停戦で非難

 【ワシントン=加納宏幸】ボーテル米中央軍司令官は27日、下院軍事委員会の公聴会でシリア内戦の限定的停戦を命じたロシアのプーチン政権を「緊張を高めて自らに好ましい形で解決を図るという、放火犯と消防士の両方の役割を果たしている」と非難した。また、ロシアや中国がイランとの関係を強化し、地域での影響力強化を図っているとして警戒感を示した。

 

 シリアのアサド政権を支援して同国の内戦に介入しているロシアのプーチン大統領は27日から、シリアの首都ダマスカス近郊で同政権軍と反体制派の激戦が続く東グータ地区で限定的停戦を発効させた。

 

 ボーテル氏はロシアがアサド政権を後押しして内戦を激化させた上で仲介者を演じ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討のため米国が支援するクルド人民兵組織主体の「シリア民主軍」(SDF)の立場を弱めていると指摘した。ロシアの行動は「IS掃討よりも自らの影響力維持を重視したもの」であり、掃討作戦を危険にさらすとした。

 

 また、ボーテル氏は中国が現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の下で、中国が運営権を取得して開発を進めるパキスタン南西部グワダル港と人民解放軍の基地を建設しているアフリカ東部ジブチを結び付け、「平和維持や人道支援の活動であるとしながら地域で戦力投射能力を強化している」と強調した。

 

 ボーテル氏はまた、イラン核合意による制裁解除で中露両国と中央アジア4カ国が参加する上海協力機構(SCO)へのイラン加盟の道が開かれたとして中露とイランの関係強化に懸念を表明した。また、中露が中東や南アジアで各国との軍事協力を通じて、「米国の利益の隙間を埋めようとしている」と指摘した。