知り合いのおばちゃんに「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」(「名簿記載通知」)が来る
裁判員制度には興味があった。いつか自分が選ばれて刑事裁判に参加してみたい。
こういう人間にはあまりクジ運がないらしい。
先日、知り合いのおばちゃんから「こんな手紙が来たんやけど。どうしたらええかな」と相談を受けた。見ると「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」ではないか。
裁判員制度 | 裁判員の選ばれ方(最高裁判所のHPより。裁判員について詳しく載っています)
本人に、これは国民の義務だからと説明するが、あまり乗り気ではないらしい。「私みたいなもんが、ややこしいことは遠慮したいわ」と言っていた。
このおばちゃんは平凡な人で、子供や孫もいる真面目な主婦である。
平凡な人だからこそ、意味があると再度話したが、やはり乗り気ではない様子だった。
代わって欲しいと思った。しかし、そうもいくまい。
マンガ『善悪の屑』と『外道の歌』、刑罰とは何なのか
バビロニア王国は、チグリス・ユーフラテス川の間にあった。
紀元前1792年から1750年に、このバビロニア王国を統治したハンムラビ王が発布した法典に、ハンムラビ法典がある。
いわゆる「目には目を。歯には歯を」で有名だ。
この条文は、一般に誤解されているような、復讐を許可する内容ではない。
罪の程度に応じて罰を与えることで、犯した罪以上の罰を与えてはいけないのだ。
近代法の原型とされている。
『善悪の屑』と続編『外道の歌』では、「殺した者は殺されるべき」を被害者に代わって行う「復讐屋」のカモとトラを描いている。普段は古書店を経営しているが、棚からニーチェの『善悪の彼岸』を持ってくる依頼者の代行をして復讐を行う。
実は、この2人の男も愛する家族を不条理に殺された過去がある。
かなりエグい復讐シーン。
シングルマザーへの強姦、子供を殺害した犯人の精嚢を切り取り、食わせるとか。
女子高校生を輪姦し暴行死させた主犯格の男の肛門に、熱した鉄棒を挿入して「もう二度とうんこできねえ」ようにするとか。
これは、犯罪であっても、被害者とその家族の苦しみが最初に描かれていることで、読み手は、納得してしまう。
そして、ここがポイントなのだが、作者は復讐屋の行為を「善」としてはいない。もちろん「悪」でもない。
道徳的、倫理的には復讐はいけないらしい。けれども、罪にふさわしい罰は受けるべきだろう。
裁判員裁判もそのために作られた制度なのだ。