映画『東京裁判』5 「8月15日が近づくと思い出す。釈迢空(折口信夫)の短歌」

もうすぐ、8月15日になります。

終戦の日。

この季節になるといつも、釈迢空(折口信夫)の短歌を思い出します。

釈迢空(しゃく ちょうくう)は民俗学者であった折口信夫(おりくち しのぶ)の歌人としての号、ペンネームです。

昭和帝の終戦の詔勅と短歌

東京裁判 vol1/4 (極東国際軍事裁判) - YouTube

映画『東京裁判』の冒頭。

昭和帝の終戦の詔勅が流れます。そして、ナレーション。

<ナレーション>

「これは単に、大東亜戦争と名付けられたひとつの戦争の敗北を意味するのではなかった。

明治維新以来、大日本帝国として世界に誇った国家とその時代が終わったのである。」

 

「この日の感慨を、日本人のあるものは伝統の和歌に託してこう記した。」

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戦ひに果てしわが子も聴けよかし────。かなしき詔旨(みこと)くだし賜(た)ぶなり

釈迢空

折口信夫と藤井春洋(ふじい はるみ)の関係

釈迢空こと折口信夫は、18年間生活を共にした養子、藤井春洋を硫黄島の戦いで亡くしていました。

 

終戦の詔勅を聞いた折口は、40日間喪に服して、自らが死ぬまで遺影前の供養を欠かしませんでした。

 

藤井春洋は形としては養子でしたが、実際には折口の愛する人でした。

折口信夫は、同性愛者だったのです。

どんな愛の形であれ、最愛の人を失った悲しみは、想像を絶する思いだったのでしょう。

 

夏が過ぎ去ろうとするこの時期には、いつもこの短歌を読み返します。

戦ひに果てしわが子も聴けよかし────。かなしき詔旨(みこと)くだし賜(た)ぶなり