今日のプーチンさん21 強く報復してこない国には、何でもやり放題

英国、メイ首相がロシアに激怒しています。

ロシア人亡命者が次々と殺害されている。しかも英国国内で。

かつての大英帝国もすっかり舐められています。

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12日前の3月4日、英南西部ソールズベリーにて、ロシアに亡命していたセルゲイ・スクリパル氏とその娘が意識不明の状態で見つかりました。神経剤による犯行です。

今日のプーチンさん20 ロシアは見せしめの暗殺が得意です

 

神経剤の分析結果は、ソビエト製の「ノビチョク」でした。

ロシアの犯行に間違いないことが証明されました。

ロシア側は、冷厳に自分達の犯行であることを誇示しているのです。

マフィアのやり方ですな。

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そして、直後の14日、再びロシア人亡命者が殺害されました。

ロンドン在住の亡命者、ニコライ・グルシュコフ氏が絞殺死体で発見されたのです。

なんと、彼の上司であったボリス・ベレゾフスキー氏も2013年にロンドン郊外の自宅で首吊り遺体で発見されています。自殺に見せかけていますが、明らかに、殺害されたのです。

 

グルシュコフ氏、ベレゾフスキー氏の両者は当然のことながら、反プーチン派でした。そのためにイギリスに亡命していたのです。

www.afpbb.com

【3月14日 AFP】ロシア人元実業家のニコライ・グルシュコフ(Nikolai Glushkov)氏(68)が、英ロンドンの自宅で不審死を遂げたことが分かった。英ロ両国のメディアが13日、報じた。同氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領反対派だった故ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)氏とつながりのある人物だった。

 

 英国では現在、イングランドで起きた神経剤によるロシア人元スパイ襲撃事件を受けた懸念が高まっており、英政府は過去に不審な死を遂げた複数のロシア関係者に関する調査を行う意向を表明していた。

 

 報道によると、グルシュコフ氏は12日、ロンドン南西部ニューモールデン(New Malden)の自宅で、娘のナタリアさんによって発見された。ロシア紙コメルサント(Kommersant)は遺族の話として、同氏の遺体には「首絞の跡」があったとした上で、他殺か自殺かは今のところ不明と伝えている。

 

 ロシアで大きな影響力を持つ新興財閥(オリガルヒ)だったベレゾフスキー氏は、一時はプーチン氏を支持していたものの、後に反プーチン派に転向。2013年にロンドン郊外の自宅の浴室で首つり遺体で発見された。

 

 ベレゾフスキー氏が所有していた航空大手アエロフロート(Aeroflot)や自動車大手アフトワズ(Avtovaz)で幹部を務めた経験があるグルシュコフ氏は当時、ベレゾフスキー氏は何者かに殺害されたとの見解を示していた。(c)AFP

こんなにあからさまな亡命者殺害が英国国内で行われる原因は、英国自体にあります。

 

お花畑的な日本人の常識では英国は被害者です。しかし、厳しい国際社会では被害者が同情されることはありません。弱みを見せたものが悪いのです。

 

今回と同様な犯行は2006年にもありました。

放射性物質ポロニウム210によるリトビネンコ氏暗殺です。

アレクサンドル・リトビネンコ氏が放射性物質ポロニウム210によって殺害された際、英国政府はロシアを批難し、容疑者アンドレイ・ルゴボイを引き渡すように迫りました。

ちなみに、リトビネンコ氏は元FSB(ロシア連邦保安庁)の士官であり、首吊り遺体で発見されたベレゾフスキー氏の暗殺をプーチンさんから命令されましたが、拒否しています。

なお、放射性物質ポロニウム210はロシアでしか精錬できない物質です。そのため、ロシアの犯行と断定できたのです。

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ところが、ロシアは英国からの要求に「全くバカげたこと」と舐めきった対応をしました。

かつての大英帝国であれば、これだけ馬鹿にされたならロシア外交官やロシア政府関係者を全員拘束して、「ふざけんな。容疑者を引き渡さなければ、こいつらも同じ目に遭うぞ」とすごんでいます。しかし、哀しいかな、過去の栄光です。

 

結局、4人のロシア外交官を追放しただけで終わり、ロシアは報復として4人の英国外交官を追放しました。

 

ロシアにしてみれば、強く報復してこない国は、いくらでも何でもやり放題の対象国になるのです。

英国に対してすらこの有様。日本は推して知るべしです。