北朝鮮の労働新聞が安倍首相を、
「下心を捨てない限り、1億年たってもわれわれの神聖な地を踏めないだろう」
と非難しています。
核放棄と拉致問題が解決するまで圧力を弱めない姿勢が気に入らないようです。
100億年たっても北朝鮮に行きたいとは思いませんが。
あの国は非常にわかりやすい反応をします。
自分たちに不利な政策をする相手には、やたらとおおげさに罵倒してくるのです。
経済制裁などの圧力が充分に効果をあげている証拠です。
北朝鮮の恐ろしさは「表面」を見てもわからない
ハフィントンポストに、朝日新聞社の吉野太一郎記者が北朝鮮と韓国の写真から、同じ人間だからわかりあえる筈といった内容の記事を書いています。
頭にお花畑が咲いているようで、何が言いたいのか意味不明です。
「怖い国、拉致する国、嫌な国。テレビで平壌の映像が流れると、日本の僕たちは、北朝鮮を先入観で見てしまう。「変な国だ」と切り捨て、思考停止してしまう。でも、そこに映る人々の顔を見て『この人たちも人間なんだ』と思えるかどうか」
と説教されても、「そんなことは当然でしょう」としか答えられません。
別に宇宙人が住んでいるわけではないのだから。
せめて、政治犯強制収容所を訪れて、そこで看守たちが政治犯に対して行っている暴行を撮影してから『この人たちも人間なんだ』と思考停止してほしいものです。
北朝鮮、強制収容所の実態
同じハフィントンポストに、強制収容所の実情についての記事がありました。
国連が2014年2月に、北朝鮮の人権侵害についてまとめた報告書より引用されています。
「北朝鮮収容所」を伝えるイラストが恐ろしい
The Huffington Post
国連は2月17日(現地時間)、北朝鮮で行われている人権侵害についてまとめた報告書を発表した(日本語版記事)。ロイター通信の報道によると、この報告書には、北朝鮮の強制収容所で6カ月間過ごした体験があるキム・カンジル氏による、恐ろしいイラストも含まれている。
上のイラストは「ハトの刑」と呼ばれるものだ。カンジル氏は次のように説明している。「胸が張った体勢になるよう、両手を後ろに縛られ、この姿勢が強制される」「看守が十分苦痛を与えられたと判断するまで同じ姿勢を強いられる。つまり、看守が満足するまで拷問は続けられる。これがハトの刑だ」
「イラストの左の人物が受けている拷問では、バイクが目の前にあることを想像させられ、そのバイクを運転する姿勢を続けることを強いられる。中央の人物の場合、自分が飛行機であることを想像し、飛行姿勢を維持しなければならない。だが、このような姿勢を長い時間安定させるのは不可能であり、必ず前方に倒れてしまう。収容されている人々は皆、このような拷問を受けている」
「国家および指導部による意思決定や行動、怠慢によって、何十万人もの人々が死亡している。収容所での拷問を生き抜いたとしても、一生残る身体的・精神的な外傷によって苦しめられている」と、国連報告書は述べている。
国連報告書によると、強制収容所へ送られる人々は、動物用の輸送車で運ばれるという。
カンジル氏の説明によると、同氏が収容された監房には、同氏のほかに40人が収容されていたという。部屋の入り口は80センチメートル程の高さしかなかったため、床に両手と両膝をついて這って入らなければならなかった。
看守は同氏に向かって、次のように述べたという。「おまえは収容所に着いた時から、もはや人間ではなくなる。動物同然の存在だ。収容所に着いた瞬間から、おまえは動物のように地面を這って進まなければならない」
「これまで北朝鮮は、国民を支配するために食料を利用してきた。(中略)さらに同国は、強制収容所の人々を支配し、罰を与える手段として、これまで繰り返し意図的に飢餓状態を引き起こしてきた。この結果、多数の政治犯や一般の被収容者が死亡している」と、国連報告書は述べている。
2018.5.7 20:33
【激動・朝鮮半島】
北、産経新聞などの報道持ち出し、安倍晋三首相批判「1億年たってもわが地を踏めぬ」【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は6日の論評で、安倍晋三政権が北朝鮮への制裁と圧力の維持を唱えながら、米韓を通じて日朝対話を模索していると批判し、「下心を捨てない限り、1億年たってもわれわれの神聖な地を踏めないだろう」と主張した。
金正恩(キム・ジョンウン)党委員長は南北首脳会談で「いつでも日本と対話を行う用意がある」と述べたとされる。北朝鮮との対話の流れに乗り遅れると強調することで、最大限の圧力維持を米韓に働きかける安倍政権を牽制する狙いがあるとみられる。
論評は「日本が蚊帳の外に置かれることはない」との安倍首相の発言を伝えた産経新聞などの報道を持ち出し、「日本の孤独な境遇は実に哀れだ」と主張。日本メディアが拉致問題などについて「わめき立てている」と非難し、「運命の分かれ道でいまいましく振る舞うなら、のけ者の境遇を免れない」とも警告した。
朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省報道官は6日、北朝鮮の核放棄まで制裁・圧迫を緩めず、人権問題を強調する米国の姿勢を批判し、「やっとのことで整えられた対話の雰囲気に冷や水を浴びせ、情勢を白紙に戻そうとする危険な試みだ」と牽制した。
トランプ米大統領は、安倍氏の要請を受けて米朝首脳会談で日本人拉致問題を提起すると約束した。北朝鮮は米朝会談で拉致問題を含む人権問題を追及され、交渉のハードルが上がることに予防線を張った形だ。
2018年05月07日 11時55分 JST | 更新 21時間前
北朝鮮と韓国。境界線の向こうに、僕らと変わらぬ人の営みがあった。
北と南、どちらで撮った写真かわかるだろうか?
吉野太一郎謎に包まれた国、全体主義で一糸乱れぬ指導者称賛の国。そんなイメージで語られがちな北朝鮮。しかし、菱田雄介さん(45)がレンズを通して向き合った人々の顔や表情からは、拍子抜けするほど、資本主義の韓国と違いを見いだすのが難しい。
菱田さんが2017年末に出版した『border|korea』(リブロアルテ刊)は、固定観念を揺さぶる写真集だ。2009年から15年まで、7回の訪朝で撮った写真を左側に、2017年まで十数回の訪韓でレンズに収めた写真を右側に並べている。─────────────────────────
北朝鮮の首都・平壌は「ショーウィンドー都市」とよく言われる。案内員という名の監視係がぴったり着いて回り、単独での自由行動は許されない。政治的に自由な発言が許される国でもない。「行っても表面的なものを見せられるだけだ」という人も多かった。
それなら徹底的に表面を見よう、髪の毛1本、顔のニキビやえくぼ、服のしわ、ボタンの付き方まで、目に見えるものは細部まで逃さず形に残し、目の前にある北朝鮮の現実と向き合おうと決めた。
北朝鮮で写真を撮ったら、韓国に飛んで同じ構図の写真を撮った。年格好の同じ人や気象条件、建物や山河の配置まで同じものを探して、何度も足を運んだ。
北朝鮮の人たちを撮影すると、金日成・金正日バッジをつけることに非常にこだわることに気づいた。では、バッジをつけていないときはどんな表情を見せるだろうか。100kmと離れていない北朝鮮・南浦と韓国・仁川。海岸線がつながった南北の海水浴場の風景をとらえた。
週末を楽しむ人々。思春期の少年の顔に表れたニキビ。赤ん坊を抱く母親の視線。政治体制や思想、文化は大きく違っても、人間の楽しみや悩みに大きな違いはない。しかし、異質さや脅威が強調されるあまり、そこに住む人間の存在は置き去りにされてしまいがちだ。
「怖い国、拉致する国、嫌な国。テレビで平壌の映像が流れると、日本の僕たちは、北朝鮮を先入観で見てしまう。「変な国だ」と切り捨て、思考停止してしまう。でも、そこに映る人々の顔を見て『この人たちも人間なんだ』と思えるかどうか」
アメリカのトランプ大統領は、米朝首脳会談に応じると表明する一方、シリアをミサイルで爆撃し、北朝鮮への軍事攻撃も辞さないとの構えを見せる。「広島に原爆を投下したエノラ・ゲイの搭乗員に、広島の人々の表情はまったく見えていなかったでしょう。そういうことを思い描けない世の中は不幸だと思うんですよね」
2018年、朝鮮半島情勢は急転した。4月27日の南北首脳会談では、年内に朝鮮戦争を終結させると宣言した。68年間、南北が銃を構えて向き合ってきた軍事境界線も、その役割を終えるかもしれない。
「7年間の撮影を通じて、南北の境界線を挟んだ写真にだんだん『違い』がなくなってきていると感じていた。今後、違いはさらになくなっていくのかもしれない。劇的な変化に正面から向き合い、固定化した北朝鮮に対する価値観に一石を投じていきたい」