映画『ゾディアック』連続殺人犯に取り憑かれた男。

取り憑かれた人の迷惑度

宗教、イデオロギー、異性など色々なものに、人は熱中することがある。

それが趣味程度ならそれほど問題にはならない。しかし、熱中の度を越して、取り憑かれたかのようになると周囲の人々に迷惑をかけるようになる。

一番身近で迷惑を被るのは、家族や親戚である。平凡な人間であれば、この程度で終わるが、取り憑かれた人が有能な場合、下手をすると国家や国民単位に害が及ぶ。

歴史上では、ヒトラーやレーニン、毛沢東、ポル・ポトなどがその有名な例だ。

彼らは、自分の信じた妄想を国家規模にまで広げて、数百万人もの犠牲者を作り出した。

映画『ゾディアック』では、漫画を新聞に描く、平凡な男が連続殺人犯に取り憑かれる。

現実の事件の映画化、今も未解決のまま

 

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これは、実際にあった事件を元に映画化された。2007年アメリカ映画。

1980年代のサンフランシスコ。彼の勤める新聞社に「ゾディアック」と名乗る連続殺人犯から暗号付きの手紙が送られてきた。

警察も報道機関も犯人を追うが、それらをあざ笑うように殺人を続け、同時に手紙も送りつけてくる。

漫画家である男にはまったく管轄外の事件だった。

けれども、男は犯人に取り憑かれてしまう。暗号を解読し、自分なりに、犯人を特定しようとする。

周囲から嘲笑され、妻から「あなたには関係のないことではないか」と言われようと、犯人の追跡をやめようとしない。

結果、妻は子供たちを連れて出ていってしまう。

それでも、一人ぼっちになっても、取り憑かれた男は犯人を追い、事件関係者を巻き込んでゆく。

実際の事件は、2016年現在も未解決のままである。

 

地味な内容の映画である。しかし、考えさせられた。

何かを信じたり、熱中するのは、大切なことなのだけれど、周囲にどんな影響を及ぼしているかを見つめなければ、単なる迷惑な人になってしまう。