米国 「アメリカはもはや正義ではない」とか。正義であったことがあるのか

「アメリカはもはや正義ではない」と米国の大学生の約60%が回答しました。

日本人としては、驚きの数字。

約40%が「正義の国」と思っていることに、びっくりです。

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37%の学生が、現在も「正義の国」であると思っているとか。

51%は、「かつては正義だった」と信じています。

「かつて」とは、いつの時代でしょうか。

 

7000万人いた先住民(インディアン)の約90%(6300万人)を死滅させて、労働力として400万人の黒人をアフリカから運び奴隷として使役した。

その国家が「正義の国」とはありえません。

その論法が通るならば、ナチスや「イスラム国」ですら「正義の国」に認定できます。

自分が米国人ならば「正義の国」と思い込むしかない

しかし、もし米国に生まれた米国人であれば、自分の国を犯罪国家とすることはあまりに辛いことです。

Newsweekはどちらかといえばリベラル派になるのですが、自国の大学生の6割が「アメリカはもはや正義ではない」と捉えることだけでも相当なショックであるようです。

 

米国民がトランプを大統領に選んだ理由がわかります。

 

人間にとって、自らの存在意義のもとになる自信をなくすことは、絶望を意味します。

自分たちの先祖が、ろくでもないならず者であった事実を知ってしまう恐ろしさは、歴史の全否定なのです。

  

トランプ大統領がしようとしていることは、「アメリカは偉大な正義の国だ」との信心を再び取り戻すためなのでしょう。

個人であれば、絶望と自己の全否定の延長には、自殺しかありません。

国家を構成する国民がそうなれば、国は崩壊するしかない。

 

今、米国は大変な局面にあるのです。

(もちろん属国である日本もそうなのですが)

www.newsweekjapan.jp

最新記事アメリカ社会

「アメリカはもはや正義ではない」米学生の6割
Only 37 Percent of College Students Believe the U.S. Is a Force of Good

2019年8月16日(金)14時50分
ジェニ・フィンク


<アメリカの学生が良心に目覚めた? 世界を不安定化させるトランプの横暴に嫌気が差した?>

 

アメリカはかつて、世界を良くする「正義」の大国だったが、今のアメリカに正義はない──アメリカの大学生の多くがそう考えていることが、最新の意識調査でわかった。

 

2020年の大統領選で、有権者に占める大学生の割合は多くない。それでも、多くの学生が初めて投票権を持つことなり、なおかつ彼らの投票率は高いと予想されるため、選挙のプロや調査会社は、学生の問題意識や、彼らが世界をどう見ているのかを探ることに力を入れている。

 

教育ITサービス企業の「チェグ」が今年6~7月に実施した「アメリカが世界に果たす役割」についての意識調査では、過半数の学生がアメリカを正義と見ていないことがわかった。


ドナルド・トランプ大統領の就任以来、アメリカの国益を優先させる「アメリカ第一主義」で強硬な外交を展開し、世界を引っ掻き回してきた。トランプ支持者も喝采を送った。一方で、トランプの外交政策には批判もつきまとう。ロシアや北朝鮮の独裁者に対する融和的な態度とも相まって、同盟国の信頼を損なっているという厳しい声もある。

 

「アメリカ=正義」は37%だけ

調査対象の大学生1001人のうち、アメリカが現在も「正義」かという問いに「強く同意」したのは12%で、「同意」が25%(計37%)。これを「否定」または「強く否定」した回答者は30%にのぼった。

 

アメリカがかつては「正義」だった、という問いには、51%が「同意」または「強く同意」と答え、現在よりも過去を高く評価している。


この調査は、チェグが昨年から実施している「学生の現状」調査の一環で、大学2年生と4年生を対象に学生の意識を探るのが目的だ。対象学生のうち43%が民主党支持、36%が共和党支持、18%が支持政党なしだった。

 

アメリカの二大政党制については、「機能していない」と考える学生の方が「機能している」と考える学生よりも多かった。一方、6割近い学生が、自分の政治的な希望を実現するのは結局、2大政党のどちらかだろうと回答した。