ローマ教皇のイラク訪問の目的は、キリスト教徒を鼓舞するため

ローマ教皇が3月6日にイラクを訪問しました。

イラクには全体の約1%キリスト教徒がいるらしいのです。

もちろん、90%はイスラム教徒です。

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日本のテレビや新聞だけ見ていると、まるで平和の使者としてローマ教皇が危険を顧みずイラクを訪れたかのように思われますが、最大の目的はイスラム教徒のテロリストに殺されたキリスト教徒殉教者へ祈りをささげるためです。

 

キリスト教徒(ローマ・カトリック)のトップなのですから当然といえば当然です。

イラク国民にビデオメッセージで

「皆さんの国を訪れることを強く望んでいた。平和な未来を共に築こう」と語った

らしいのですが、もちろんキリスト教徒のイラク国民への訴えです。

90%のイスラム教徒が聞くはずもない。

 

こんなことを書くと、日本では平和の敵のようにとらえられがちです。しかし、多分宗教を信じているまたはよく知っている人間ならば常識なのでは。

世界人類が皆兄弟であるなどと寝言を言っているのは、日本人だけなのです。

 

その証拠に、米国CNNの記事には

減少しつつあるイラクのキリスト教徒と面会し、その苦境に注目を集めることを目指す

ことしか書いてありません。

 

キリスト教徒とイスラム教徒の対決はまだ終わっていないのです。

article.auone.jp

フランシスコ教皇、イラク首都に到着 苦境のキリスト教会を励ます狙い


 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は5日、戦争で荒廃したイラク各地を訪れるため、首都バグダッドに到着した。減少しつつあるイラクのキリスト教徒と面会し、その苦境に注目を集めることを目指す。

 

 ローマ教皇によるイラク訪問は史上初めてで、有力な政治家や宗教関係者との会談も予定している。新型コロナウイルスの流行が始まって以来、教皇がイタリア国外に外遊するのは初となる。

 

 教皇は専用機に同行した記者団に対し、「再び外遊を始めることができうれしい。これは象徴的な旅、義務だ」「イラクはあまりに長い間、殉教者の地となってきた」と語った。

 

 5日には、カディミ首相やサレハ大統領と会談。教皇がバグダッド国際空港に到着すると、伝統舞踊の踊り手たちが出迎えた。マスクを着用した踊り手はいなかった。教皇と側近は全員、新型コロナウイルスのワクチンを接種済み。

 

 その後、2010年に虐殺の舞台になったバグダッドの教会を訪れ、聖職者や他の関係者と面会した。教会中庭で教皇を出迎えた信者らは興奮した様子で、歌声も上がった。

 

 教皇は10年のテロ攻撃で死亡した教区民にささげられたコラージュの前に座り、「我々がいま集まっている『救世主聖母大聖堂』は、神と教会への忠誠の究極の代償を払った兄弟姉妹の血により神聖になった」と語った。

 

 イラクではこのところ新型コロナウイルスの感染者が増加しているほか、相次ぐロケット攻撃で治安面の懸念も高まり、教皇の訪問は中止になるとの見方が多かった。だが、教皇は長い歴史を持つイラクのキリスト教徒コミュニティーを「殉教者の教会」と呼び、予定通りの訪問を強く求めたという

03/06 09:55 CNN.co.jp

www.nikkei.com

ローマ教皇、イラク訪問 宗教融和訴え
ヨーロッパ

2021年3月6日 1:25

【ウィーン=細川倫太郎】キリスト教カトリックの最高指導者、ローマ教皇フランシスコは5日、歴代教皇として初めてイラクを訪れた。過激派組織「イスラム国」(IS)のかつての最大拠点で、多くの市民が犠牲になった北部モスルなどを歴訪し、宗教間の融和を訴える。治安への懸念は強く、イラクは厳戒態勢で迎えた。

 

滞在は8日まで。教皇の外遊は新型コロナウイルスの流行後では初めてで、2019年11月の訪日以来およそ1年3カ月ぶりとなる。教皇は4日、イラク国民に向けたビデオメッセージで「皆さんの国を訪れることを強く望んでいた。平和な未来を共に築こう」と語った。

 

6日に中部ナジャフでイラクのイスラム教シーア派最高権威シスタニ師と会談する。キリスト、イスラム、ユダヤ3宗教の共通の祖とされるアブラハムの生誕地、南部ウルにも足を運び、各宗教の代表者とも面会する。7日にはモスルで紛争の犠牲者に祈りをささげた後、クルド人自治区アルビルでミサを実施する。

 

イラクの首都バグダッドでは1月、30人以上が死亡した自爆テロが発生し、3日にも同国西部の米軍が駐留する軍基地で少なくとも10発のロケット弾による攻撃があった。ロイター通信によると、今回の外遊では約1万人の警備員が配置され、教皇は装甲車で移動すると伝えられている。