中国は、「一帯一路」を北極海航路まで伸ばしてきました。
温暖化の影響なのか北極海の氷が減少しています。
タンカーなどの輸送船が北極海まわりで通過できるようになっています。
その結果、北極海航路を通ると南のスエズ運河をより航行距離を約3割短縮できるらしい。
また、南方を通過すると海賊からの襲撃に遭うことが多いのですが、北では海賊が待機する場所がないために、そのリスクを考える必要がありません。
(無理に待機しても、ロシア海軍は海賊に対して平気でミサイル攻撃を行うため存在できない)。
その北極海航路を、中国が「氷上のシルクロード」として「一帯一路」に取り込むつもりです。
「北極圏に最も近い国の一つ」と位置づけているとか。かなり離れていると思うのですが、そんな事実はどうでも良いようです。
孔鉉佑外務次官は記者会見で、
「別のたくらみがあるとか、資源の略奪や環境破壊などの懸念はまったく不要だ」と訴えた
らしい。
「そんなこと誰も言ってへんやん」とツッコミたくなる会見です。
本心がもれてしまったのでしょう。
笑えますが、彼らは本気です。
「別のたくらみがあり、資源の略奪や環境破壊をするつもり」なのです。
中国の、領土や権益拡大への欲望は果てしないものがあります。
中国 北極海でも「一帯一路」 権益拡大へ白書発表
中国・台湾
2018/1/26 19:03
【北京=永井央紀】中国政府は26日、北極海の開発や利用に関する基本政策をまとめた「北極政策白書」を初公表した。北極海を通る航路を「氷上のシルクロード」と呼び、中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」と結びつける方針を示した。地球温暖化で氷が解けており、船舶の通航や資源開発が容易になった北極海で権益拡大をめざす。
海運企業などによると東アジアから欧州にいたる北極海経由の航路は、インド洋からスエズ運河を抜ける従来ルートに比べて時間が約3割短縮される。北極海は資源も豊富で、ロシアの都市ヤマルでは液化天然ガス(LNG)の生産を2017年末から始めた。核抑止の要となる潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した原子力潜水艦を米ロの狭間に配備できる軍事的な要衝でもあり、中国の関心は強い。
中国は白書で「北極圏に最も近い国の一つ」と自国を位置づけ、経済や環境など幅広い分野で北極の利害関係国だと明示した。「中国はエネルギーの消費大国であり、北極海航路や資源開発は中国経済に大きく影響する」とし、権益確保に向けて積極的に関与する方針を示した。
具体的には「企業が北極海航路のインフラ建設や商業利用に参加することを奨励する」「企業が石油や天然ガス、鉱物資源の開発に参加することを支持する」と白書に盛り込んだ。
中国の進出には乱開発や安全保障面の懸念が指摘される。孔鉉佑・外務次官は記者会見で「別のたくらみがあるとか、資源の略奪や環境破壊などの懸念はまったく不要だ」と訴えた。
北極圏に領海や領土を持たないことを考慮し、白書には沿岸国の主権や管轄権を尊重するとも明記した。ただ、そのうえで「中国は北極における国際ルールの制定に積極的な役割を果たす」との方針を示した。
北極には、平和利用を定めた南極条約のような国際ルールがまだ整備されていない。利用や開発をめぐる国際秩序の形成が今後の課題となっていることが念頭にあるもようだ。
新たな国際ルールは、米国やロシア、デンマークなど8つの北極圏国で構成する「北極評議会」が議論を主導している。中国は13年に日本や韓国などとともにオブザーバーとして議論に参加した。白書発表は中国の意思をより強く反映する意思表明ともいえそうだ。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は17年にロシアやフィンランド、ノルウェー、デンマークなど北極評議会の加盟国の首脳と相次いで会談した。「氷上のシルクロード」に言及したこともある。北極海の開発について首脳間で協力を呼びかけており、関係国との連携強化にも余念がない。