宮崎駿のアニメは『未来少年コナン』の頃からのファンなのです。
アニメーション監督としては、世界最高と言っても言い過ぎでは無いでしょう。
才能の塊です。しかも爽やかさの中に何となく闇がある。破壊癖とエロチックな闇です。そこがまた香辛料のように効いていて心地よい。
しかし、一個人としての宮崎駿の、思想的な信念から現実を無視する姿勢には、愚かな人としか言いようがありません。
ドワンゴの川上量生会長 も気の毒に
NHK『終わらない人』の中で、AIの描いた人間が身体障碍者に似ているからといって激怒していました。
意味不明な怒りに見えます。
確かにあの動きは障碍者のものです。福祉関係者なら誰もが知っている動作でしょう。
ですが、ドワンゴ会長が障碍者の動きを、指を指して笑ったわけではありません。
AIが描いた動画を見せただけなのです。
そんなことを「生命に対する侮辱」と大げさな言葉で怒っていては、芸術のほとんどが「~に対する侮辱」になってしまう。
ブリューゲルの絵『盲人の寓話』などは、障碍者を滑稽に描いた「盲人に対する侮辱」の絵なのでしょう。
また、引き合いに出された障碍者も困惑します。
清く正しく頑張っている障碍者像は、ある意味迷惑なのです。
普通に欲望もあり、くだらないことで喧嘩をしたり、時には自分より弱い障碍者をイジメたりする。当然のことですが、健常者とまったく同じです。
頑張っていない、まったりした生き方をした人も結構います。
現実に活動していた障碍者プロレスを描いた『無敵のハンディキャップ』を読んでみればよくわかります。
理想を語る無知な人ほど怖い
一番怖いのはドワンゴの会長ではなく、宮崎駿のような現実無視をしているのに、本人は世界のことが分かっているかのように振る舞う人間です。
そして影響力もある。
人類の文明を破壊し尽くした漫画版のナウシカと同じ。
本人は全くその自覚がない。
安倍首相への批判もそう。
沖縄に基地が必要なのは、中国の海洋進出を食い止めるためなのに。
彼らは沖縄県を自国の領土にするつもりなのです。その時、人民解放軍から沖縄県民が受けるであろう暴行は想像を絶するものとなるでしょう。
中国という、障碍者の生存すら認めないグロテスク極まりない独裁国家への危機感も全く感じられないから辺野古基地にも反対する。
中国の障碍者が置かれた環境を知らないのでしょう。
貧乏人の障碍者は捨てられるか、劣悪な環境で強制労働させられる国家。
その一方、富裕層は、日本製品を爆買いに来る。
AIの動きより、現実の方がはるかに「生命に対する侮辱」を行っています。
無知は犯罪です。
世界は理想郷にあるのではなく、目の前にあることがわからない。
ジブリのスタッフも含めた自分達も、在日米軍と自衛隊に守られていることすら理解しない。もちろん、障碍者も守られています。
障碍者は、有事になれば(結果として)真っ先に見捨てられる存在なのが、宮崎駿には理解できないでしょう。
中国の核ミサイルは日本の都市部を射程圏に入れて配備されている事は常識です。
北朝鮮のミサイルは、日本の都市を狙って繰り返し試射されています。
あのミサイル実験は、明らかに日本の都市への正確な核攻撃を想定している。だから日本領海内に何発も打ち込み、実力を示しているのです。
ある年配の視覚障碍者から聞いた話があります。
1950年代の学生運動が盛んな時期、盲学校にも左翼活動家が来校し、運動に参加するように勧誘があったそうです。
視覚障碍者の生徒達が参加したいと先生に話したところ、一喝された。
「お前らが参加するのは反対だ。学生たちはお前達を連れて逃げてくれないぞ。機動隊とぶつかった時に、お前達は見捨てられて踏み潰されるだけだ。それでもいいなら参加しろ」と。それを聞いた生徒達は参加をやめた。
平凡であっても、現実を知り常識のある人はどの時代にもいたのです。
メル・ギブソン監督が最高にエンターテイメントな映画を制作できても、白人至上主義者であるように、宮崎駿が素晴らしいアニメ作品を作れるからといって、人間的に良識があるとは言えないのです。