予備知識無しの『エム・バタフライ』は、主人公のように驚かされる。

映画やドラマを、衝動買い又はレンタルすることが多い。
決めるきっかけは、監督、役者、センスの良いパッケージとかである。

『エム・バタフライ』はまだビデオテープの頃にレンタルした。

 

『ザ・フライ』『デッド・ゾーン』等を観て、
デビッド・クローネンバーグ監督好きになったからだ。
あの切なさが、なんとも言えない。

パッケージも良い。

 ストーリーも読まないで借りた。

クローネンバーグ監督の「バタフライ」ということは、
プッチーニのオペラ『蝶々夫人』をモチーフにした、歪んだ恋愛ドラマだろうと想像した。

(ニコ動では、画像は悪いけれど全編観られます)

中国が文化大革命を行っている時代。予備知識は、まったくと言いほど無い。

この映画は事実を元に制作されたようだ。

フランスの外交官が主人公。

京劇の女優さんに一目惚れして、恋愛関係になる。

 

しかし、どうも変だ。
女優さんの顔が大きすぎる。

そんなに美人でもないだろう。
フランス人はこの程度でいいのか。

 

ストーリーは続くが、京劇女優のソン・リリンの顔が気になってしょうがない。

別に、顔が大きい女性は、けしからんといった偏った性癖はない。
が、この顔の大きさは、男性の主人公とバランスがとれていないのではないのか。
クローネンバーグ監督の趣味なのか?

 

こんな感じで観続けていると、どうも中国のスパイのようだ。

 

そして、なんと本当は“男”ではないか。

何だこりゃ。
確か、後ろから性行為をしているシーンがあったけど。

 

事実にしても、女性ではないことに気づかないのは、どうかしている。

しかも、子供が出来たと話していた。
アナルでは子供は出来まい。

 

モデルになった、スパイの名前は、時佩璞(じ・はいはく)。もちろん“男”である。
フランスの外交官は、ベルナール・ブルシコ。

『酒とエロスと・・・』“小世々の深掘館”より。
「ならば何故、彼は時佩璞が男であることに気付かなかったのか?」と誰もが疑問に思い、運が良かったのか悪かったのか、一命を取り留めて刑期を終えて出所したベルナール・ブルシコにも、同じように出所した時佩璞にも、あの手この手で人々は真実を聞き出そうと近付きます。けれどブルシコは「彼女はセックスの時には服を脱がず、灯りもめったには点けさせなかった」というのみでそれ以上のことはなにも話しませんでした。

 

結局、ジョン・ローンの女装映画だった。
『ラストエンペラー』の溥儀ではないか。

 

初めに言って欲しい。
解説をよく読まずに映画を観るとこんな目に遭う。