今日のプーチンさん9 スターリンの大粛清正当化。ロシアでは仕方ないのかも

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ロシア連邦保安局(FSB)のアレクサンドル・ボルトニコフ長官(上記写真)が旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンが行った大粛清を正当化するとのことです。

 

スターリンは粗暴かつならず者でしたが、巨大な権力を自らの手でつかみ取りました。

彼が可能にした大粛清は、共産主義国家があってこそでした。

ツァーリ(皇帝)や貴族たちがどんなに特権階級として君臨したとしても、ソビエトで起きたような悲劇はなかった。

1917年から1953年までの間、レーニンとスターリンその他の同志たちが粛清した人間は、2000万人以上です。

2000万人以上!

数字が大きすぎてもはや想像すらできません。

アドルフ・ヒトラーですらユダヤ人を約600万人殺害(らしい)ですから、桁が違います。しかも、そのほとんどが自国民だったのでヒトラーより酷い。

 

根本的に、共産主義が間違っていたのです。ナチズムと同じ狂信的な宗教だからこそ、このような惨劇が起きたのでしょう。

異常なまでの破壊衝動は双子のようにそっくりです。

しかし、共産主義者は認めようとしません。

それどころか、同じような国家を作ろうと画策している者さえ存在します。

日本国では、断固として遠慮したい思想です。

 

ただし、ソビエト連邦の後継国ロシアではどうでしょうか。

ロシア国民は独裁者なしには生きていけません。

だからこそ、プーチンさんは支持され続けます。ロシア国民が求めた大統領なのです。

そして、スターリンを否定しても彼らには何の救いもありません。

スターリンは数千万人の人間を粛清しましたが、その犠牲により、2~3流国家だったロシアをとりあえず1流国家にしました。この功績だけは否定できないのです。

www.afpbb.com

ロシアの科学者ら公開書簡、スターリンの大粛清正当化に警鐘

2017年12月24日 10:42 発信地:モスクワ/ロシア

【12月24日 AFP】ロシアの科学者グループは、ロシア連邦保安局(FSB)のアレクサンドル・ボルトニコフ(Alexander Bortnikov)長官が旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)が行った大粛清を正当化しようとしているとして警鐘を鳴らした。

 ロシア紙コメルサント(Kommersant)に公開書簡を掲載した科学者30人以上のグループは、ボルトニコフFSB長官が「恐怖政治」と呼ばれたスターリンの大粛清を合法化しようと試みていると批判した。歴史家はスターリンによる大粛清により、1930年代にはおよそ100万人、スターリンが死去する1953年までの約30年間で2000万人が死亡したと推定している。

 FSBの前身であるソ連国家保安委員会(KGB)出身のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏が最初に大統領に就任した2000年以降、ロシア当局はスターリンが果たした役割も含め旧ソ連について肯定的な見方を広めようとしてきた。しかしボルトニコフ長官の一連の発言はその方向性をさらに一歩進めるものだとみられている。

 同長官は今週発行された政府系日刊紙ロシスカヤ・ガゼータ(Rossiiskaya Gazeta)のインタビューで、スターリン時代の犯罪事件の大半には「客観的な面」があると述べ、いずれかの人物の汚名をそそぐつもりはないとしつつ、「クーデター計画者と外国の治安機関との結びつき」について言及した。

 このインタビューは、ボリシェビキ(Bolshevik)支配への反対勢力を一掃するために設置された旧ソ連初の秘密警察、非常委員会(チェーカ)の創設100年を記念して行われた。

 プーチン氏は来年3月に行われる大統領選の立候補を表明している。当選すれば2024年まで大統領を務めることになり、スターリン以降で在任期間が最も長いロシアの指導者となる。

■公開書簡に込めた思い

 コメルサント紙のウェブサイトに22日夜掲載された公開書簡は次のように書いている。「ボルトニコフ氏の広範囲にわたるインタビューの目的は何なのか、私たちには明らかではない」

「新大統領を引き立てることだろうか?過ぎ去った時代を懐かしむ心だろうか、それとも新しいドクトリンのプロパガンダだろうか」

「いずれにせよわれわれは、粛清の残酷で反人民的な性格についての認識を修正することには断固として反対する。1930年代の恐怖を子どもたちに再現させたくないと望む良識あるすべての方々はどうぞわれわれの抗議に加わってください」

 今回の公開書簡の発起人、物理学者のセルゲイ・スティショフ(Sergei Stishov)氏(80)はコメルサント紙に対し、「1937年生まれの人間として私は、『みなさん、警戒を怠らないで』と警告したいのです」と語った。(c)AFP