メキシコ麻薬カルテルの残虐さ、更にエスカレート

メキシコは、麻薬カルテルに国ごと乗っ取られています。

NHKは「ジャーナリズムの危機」などと表現しています。メキシコでは、ジャーナリストが麻薬カルテルの批判をすると、確実に殺害されます。

殺害の仕方も残虐で、手足を切断する、顔の皮を剥ぐなどの拷問によって苦しみ抜いた挙句に殺されます。そしてその様子をネットに流す。見せしめのために。

「ジャーナリズムの危機」という形容が陳腐に思えるほどです。

現実には、政治家、警察、カルテルに批判的な一般市民も標的にされています。

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ユーチューバーも殺される

麻薬カルテルCJNGのボスの悪口を言っただけで、昨年12月にユーチューバーのフアン・ラグナスさんが殺されました。

しかもただ殺されるだけではなく、残虐に殺害されています。

武装集団がパーティーに乱入し、自動小銃で18発の弾丸を打ち込まれて蜂の巣にされました。

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「エル・メンチョ」とは、メキシコで最も勢いのある麻薬カルテル「ハリスコ新世代カルテル」(CJNG)のボス、ネメシオ・オセゲラ容疑者の通称。アメリカ麻薬取締局(DEA)によって指名手配され、多額の懸賞金がかけられている麻薬王である。ラグナスさんは、その麻薬王を侮辱しながら「俺のチンポをしゃぶれ!」などと発言する動画を投稿し、その後襲撃されたのだ。メキシコ当局は、この事件にCJNGが関与しているかどうかは未確認としているが……。

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2016年の犠牲者数がイラクやアフガニスタンより多い。

つまり、戦争状態の地域より死者が多いのです。

 グローバリズムが犯罪を凶悪化している

知恵蔵では、グローバリズムを次のように定義しています。

文脈によって異なる意味を持つ。(1)多国籍企業の地球大の戦略。資本調達、人員の雇用、生産、マーケティングなどを、一国経済を超えて世界的規模で展開すること。(2)「宇宙船地球号」とか「かけがえのない地球」など、世界が1つの共同体であるという認識や行動。環境、人口、食糧、エネルギーなど地球的問題を人類の協力によって解決する視点に立つものが多い。
(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

メキシコでのグローバリズムは「(1)多国籍企業の地球大の戦略。資本調達、人員の雇用、生産、マーケティングなどを、一国経済を超えて世界的規模で展開すること」です。

企業が世界的規模で展開するには売れる商品が必要になります。しかし、どの国にでもそのような商品があるとは限りません。

ほそぼそと地味に生計を立てる国もあるはずです。

しかしそれでは、全て金銭を中心に考えて加速していく企業には必要がない国とされてしまう。

結果、簡単に大金を得られるのは麻薬しかなくなり、その組織化が進んでしまうのです。

グローバリズムが犯罪の巨大組織化を進めている。

政治腐敗と格差拡大が進むメキシコでは「手っ取り早く稼いで豊かな暮らしをするには、麻薬組織の仕事をするしかない」と語る。人生の選択肢が乏しく、自らの命にすら価値を見出せない若者たちは、一発逆転を狙ってカルテルに加わるのだという。

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