メキシコの映画学校に通っていた3人の学生が殺害されました。
殺害方法はほとんど猟奇殺人の体で、遺体は拷問を受けた後酸の樽に放り込まれていました。
明らかに見せしめです。
犯人は、映画学校があるハリスコ州を拠点とする麻薬カルテル「ハリスコ新世代」とされています。
殺害理由として、3人のうち、ある学生の親族が「ハリスコ新世代」と敵対していたことが原因でした。
こんな理由で殺されていては、もう滅茶苦茶としか言いようがありません。
映画学校の生徒が殺害とのニュースから、麻薬カルテルに批判的な映画を制作したためかと思っていたのですが、親族が敵対していたことが殺害理由であれば、どうやっても本人は避けようがない。
映画『ボーダーライン』で、残酷に復讐を果たすコロンビア人の元検察官が登場します。この映画自体はフィクションですが、元になったモデルはあるようです。
(映画『ボーダーライン』メキシコ麻薬戦争と渋いコロンビア人 )
コロンビア人の妻と娘はメキシコの麻薬カルテルに殺害されていました。
妻は首を切り落とされ、娘は酸のプールに投げ込まれて殺されたのです。
しかし、メキシコの麻薬カルテルのやり方は、現実の方が映画よりはるかに残虐です。
実行犯が「ユーチューブ(YouTube)上で10万人超の登録者数を持つ有名ラップ歌手の男」であったことも衝撃です。
あの国では、犯罪者ではない普通の人間も、麻薬カルテルに協力しなければ生きていけないことを物語っています。
メキシコの学生殺害事件、有名ラップ歌手が遺体を酸で溶かしたと供述
2018年4月26日 17:26 発信地:グアダラハラ/メキシコ【4月26日 AFP】メキシコで先月、映画学校に通う学生3人が行方不明となり、その後殺害された事件で、ユーチューブ(YouTube)上で10万人超の登録者数を持つ有名ラップ歌手の男が、3人の遺体を酸で溶かしたと供述していることが分かった。当局が25日、認めた。
メキシコ第2の都市グアダラハラ(Guadalajara)で映画を学んでいたサロモン・アセベス・ガステラム(Salomon Aceves Gastelum)さん(25)、ダニエル・ディアス(Daniel Diaz)さん(20)、マルコ・アバロス(Marco Avalos)さん(20)の死をめぐり、「QBA」と呼ばれるクリスチャン・オマル・パルマ・グティエレス(Christian Omar Palma Gutierrez)容疑者を含む2人が身柄を拘束されていた。
グティエレス容疑者は州検察当局に対し、ハリスコ(Jalisco)州西部で先月3人を拉致して拷問し、殺害した後に遺体を処理したと認めた。
AFPの取材に応じたリセット・トーレス(Lizette Torres)主任捜査官によると、グティエレス容疑者は「これ以前に3件の殺人にも関与していた」という。
グティエレス容疑者は3か月前、友人伝いで同国有数の麻薬組織「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」へ加入。週3000ペソ(約1万7400円)受け取って働いていた。
容疑者はフェイスブック(Facebook)で2つのアカウントを持ち、合わせて14万人のフォロワーを抱えている他、ユーチューブ上に持つチャンネルの登録者数は約12万5000、視聴回数は数百万回に上る。(c)AFP