ガーナ大学のガンジー像が撤去されました。
「インド人はアフリカの黒人より「はるかに優れている」とガンジーが書いた一節」が見つかったことが原因だとか。
黒人差別の内容であると判断されたのです。
前後の文脈が記されていないので、これが果たして差別にあたるかどうかわかりません。
例えば、数学能力ではインド人が「はるかに優れてい」ます。
しかし、身体能力ではアフリカの黒人が「はるかに優れている」場合がほとんどでしょう。
言葉の片々をあげつらって批判するのはあまり建設的ではありません。
それよりも、マハトマ・ガンジーにはもっと本質的な批判をすべきです。
ガンジー非暴力運動が成功したのはあの時代の英国だから
日本では何故かマハトマ・ガンジーを非暴力で平和を達成した神の如き指導者として扱っています。
インドを英国からの独立させたことは事実ですが、彼ひとりの力で成ったわけではありません。
彼以外の武装闘争も独立に貢献しました。
何よりもあの時代、非暴力運動が成功したのは相手国が英国だったからです。
英国で弁護士をしていたガンジーは、英国のマスコミを熟知していました。
そして英国ジャーナリストとのパイプもあった。
言論で動かされる民主主義国家は、理想を語りマスコミに流すことでその政策を変えることが可能だったのです。
これが中国やアフリカの独裁国家であれば、ただ皆殺しにされるか民族浄化されるしかありません。
さらに、ガンジー以降のインド政府は非暴力で国の政治を行っていません。
周辺国と戦争を繰り返しています。
また、パキスタンに対抗するために核兵器も持っています。
これは、指導者が悪いのではなく、現実に独立国家を運営するためには戦争することもあり、そのための軍隊も必要であるためです。
マハトマ・ガンジーは確かにマハトマ(偉大)な指導者であったかもしれませんが、現実を見ない理想主義者・宗教家であったことも確かです。
怪しげなカルト教団教祖のような発言もあります
「鉄道によって欲望が加速するため邪悪が広げられる」
「病院があるせいで体に注意を払わなくなる」
「(自身が弁護士であるのに)弁護士などいらない」と西洋近代文明に対しても批判を繰り返した。
船旅で出会ったドイツ人の持っている望遠鏡に対して「そのようなものがあるから欲望が止まらないので捨てるべきである」として言い争いになったが、最終的には「望遠鏡がなかったら、そもそもこのような言い争いになることはなかった」と説き伏せて、海に望遠鏡を放り投げた。
ガンジーが黒人差別?=抗議で像撤去-アフリカの大学
2018年12月16日14時56分
インドの独立運動指導者マハトマ・ガンジー(中央)=1934年11月、ボンベイ(現ムンバイ)(AFP時事)
【アクラAFP時事】アフリカ西部ガーナの首都アクラにあるガーナ大学に設置されていたインド独立運動指導者マハトマ・ガンジーの像が、撤去された。教員や学生らは、ガンジーがアフリカの黒人を差別していたとして撤去を求める抗議運動を展開していた。
ガンジー像は2年前、両国の絆の象徴としてインドのムカジー大統領(当時)が披露した。しかし教員らは、インド人はアフリカの黒人より「はるかに優れている」とガンジーが書いた一節を挙げて抗議を開始。学生らによると、像は11日深夜から12日未明の間に撤去されたとみられる。
像撤去について教員の一人は「黒人の尊厳と自尊心の勝利」と歓迎。大学当局はコメントを拒み、ガーナ外務省も「大学の内部決定だ」と述べるにとどめた。
ガンジーは英国の植民地支配に対して非暴力による抵抗を唱えたことで知られるが、アフリカでの評価は複雑だ。(2018/12/16-14:56)