映画『チャイルド44』原作は良し、映画も結構良い

映画が予想していたより、いい雰囲気でした。

TVで見ていた普通のアイドルが、実際にあってみると平均点以上に可愛かったといったところでしょうか。

原作の絶望的なスターリン時代のソ連社会が窺える作品です。

 

原作は『チャイルド44』トム・ロブ・スミス著。

実際にあった事件を元にした話。

アンドレイ・チカティロは、猟奇殺人を知っている人間にとって、有名過ぎる人物です。
大勢の少年少女を拷問し、残虐に殺していた殺人者です。

やったことも酷いが、顔も怖い。

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殺人博物館〜アンドレイ・チカティロより引用

1978年12月22日、仕事を終えたチカティロは帰り道でエレナ・ザコトノワ(9)に声をかけた。そして、例のあばら屋に誘い込んだ。彼女の死体は2日後に近くの川で発見された。これが彼の最初の犯行である。ところが、警察が逮捕したのはアレクサンドル・クラフチェンコという前科者だった。自白を強要された彼は有罪となり、1984年に処刑された。

遂に殺人を犯してしまったことへの動揺と警戒心から、チカティロはしばらくは静かにしていた。しかし、教職をクビになり、已むなく工場の補給担当者(生産に足りない物資を調達してくる係らしい)の職についてから6ケ月後の1981年9月3日、ラリサ・トカチェンコが第2の犠牲者となった。森の中で絞め殺し、屍体を切り裂きながら射精した。そして、我を忘れて屍体の回りを踊り狂い、雄叫びをあげた。
「パルチザンになった気分だった」
 かくして、ソビエトが生んだ最悪の連続殺人鬼、アンドレイ・チカティロは完成した。以後、12年に渡り、50人以上の女性や子供を手にかけた。犠牲者はめった刺しにされ、眼球をくり抜かれた。そして、内臓や性器を切り取られた。食べるためだった。その場で生のまま口にすることもあれば、持ち帰って調理することもあった。

ソビエト連邦の恐ろしさ

ソビエト連邦では、欧米諸国にいる猟奇殺人犯は「いない」ことにされていたのです。

資本主義が生み出すいびつな妖怪なので、共産主義国には「いない」と。

 

共産主義国は「理想の楽園」なので、快楽殺人は無い建前でした。

だから、それが「ある」と言う人は、国家に反逆するとして処罰されたのです。

ロシアでは翻訳されていない。

ロシアでは、現在でも『チャイルド44』の原作の翻訳は許されていないそうです。

おそロシア。